騒音問題を取り扱う際に音を有意音と無意音に切り分けて考えることがあります。無意音とは自動車通行などの交通騒音や工場から発生する騒音など、音が意味を持たないものです。一方で、有意音とは人間の話し言葉や、歌など意味を持つ音のことを言います。一般的有意音の方が無意音と比較して受忍限度が低いとされています。例えば車の交通騒音であれば70db であっても我慢できるのに対して、隣の部屋から聞こえる人の話し声であればその音の大きさが45デシベルであっても耐え難いものと感じることもあります。
もっと言えば、人の声であれば何でも同じというわけではなく、誰が話しているのか、どんな内容を話しているのか、によっても絶えられる限度(受忍限度)は変わります。自分の好きな曲であれば大きな音であっても気にならないのに対して、嫌いな曲であれば小さな音でも耐えられないのと同様です。
このように対象の音が、有意音であるか、無意音であるかによって耐え難い限度が異なるわけですから、単に発生している騒音が基準値を超えていないからと言って、即座に「問題がない」ということはできないということに注意が必要です。
【著者情報/略歴】2014年より日本騒音調査カスタマーサービス部門、HP記事担当。年間1,000件を超える騒音関連のお問い合わせに、日々対応させていただいています。当HPでは、騒音に関してお客様から、よくいただくご質問とその回答を一般化して紹介したり、当社の研究成果や学会(日本騒音制御工学会等)に寄稿した技術論文記事をかみ砕いて説明させていただいたり、はたまた騒音関連のニュースを解説させていただいたりしています。
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