電界、磁界、電磁波とは何か、また、それらの規制値や許容値について
騒音には環境基準や騒音規制法による基準値や規制値が存在します。この基準値・規制値は「それを超えると健康に被害を及ぼす可能性があるため、その値以下にすべき」といったものですが、騒音と同様に振動、電界、磁界、電磁波等にも「規制値」が存在します。このページではその内の「電界、磁界、電磁波」とは何か、また、日本におけるそれらの規制値について紹介しています。
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電界と規制値
電界とは「電気のある空間」のことで、家電製品や送受電設備など「電力が供給されている機械」の周りに存在します(つまり、機械に囲まれて生きる私たちの身の回りの空間はほぼ全て電界であるとも言えます)。冬場や乾燥している時期に金属に触れると静電気でパチッと音がして皮膚に衝撃が発生することがありますが、これは電界によって引き起こされる現象です。また、電界の強い場所では体の表面がピリピリとした感じになり、不快感を覚えることもあるようです。ただし、電界の強さは発生源から少し離れるだけで著しく低下するため、一般的な生活を営んでいる場合、実際に電界を感じるということはあり得ません。この電界の単位はV/m (ボルト/メートル)で、日本における低周波数の電界の規制値は3kV/mとなっています。
磁界と規制値
磁界とは「磁気のある空間」で、電界と同様に「電力が供給されている機械」の周りに存在します(つまり、私たちの身の回りの空間はほぼ全て電界であり磁界であるとも言えます)。イメージとしてわかりやすいのは「磁石の周りの空間」で、磁石どうしの距離をある程度離すと引き合わなくなるように、磁界の強さも発生源から少し離れるだけで著しく減少します。この磁界の単位は一般にµT (マイクロテスラ)が使用されており、日本における低周波数の磁界の規制値は200µTとなっています。
電磁波と許容値
電界と磁界の強さが時間によって変化するとき、それらは波のように遠くまで伝わります。この波が一般に電磁波と呼ばれていて、携帯電話など、人体のそばで使用する無線設備に対して許容値が設定されています。この許容値は発する電磁波(電波)の周波数の範囲によって異なります(以下の通り)。
・周波数範囲100kHz-6GHz:任意の組織 10g 当り2W/kg(四肢では4W/kg)
・周波数範囲6GHz超-30GHz:任意の体表面4cm2当り2mW/cm2
・周波数範囲30GHz超-300GHz:任意の体表面1cm2当り2mW/cm2
身の周りの電界、磁界、電磁波が規制値や許容値を超えているか確かめるには
電界、磁界、電磁波が規制値や許容値を超えているかを確認するためにはそれぞれ専用の測定器による測定が必要です。ただ、専用の測定器は比較的高価ですし、データの分析やとりまとめは一般に容易なものではありません。当社では、お申込みいただければ「測定器のお貸出しから報告書の作成・送付まで」を比較的安価に行えるサービスを提供しておりますので、電界・磁界・電磁波などの測定や報告をご希望の際はお気軽にお問い合わせください(>>お問い合わせはこちらから)。
【著者情報/略歴】2014年より日本騒音調査カスタマーサービス部門、HP記事担当。年間1,000件を超える騒音関連のお問い合わせに、日々対応させていただいています。当HPでは、騒音に関してお客様から、よくいただくご質問とその回答を一般化して紹介したり、当社の研究成果や学会(日本騒音制御工学会等)に寄稿した技術論文記事をかみ砕いて説明させていただいたり、はたまた騒音関連のニュースを解説させていただいたりしています。
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