自動車/トラック騒音の現状と発生した場合の解決アプローチ

騒音問題の大きな一角を占める自動車騒音


日本は車社会となって久しく、当社にお問い合わせ・ご相談いただくものの中でも、自動車やトラック関連のものは少なくありません。自動車騒音については政府が様々な対策を行っていますが、依然として大きな問題であり続けています。さらに現在においても年々日本国内の自動車の台数(自家用車商用含む)は増加しており、今後も騒音問題の大きなカテゴリの一つとなり続けることが予想されます。

そもそも自動車騒音はどこから発生しているのか


自動車騒音とは一口に言っても様々な騒音があります。大きく分類すると「自動車自体からの騒音」「自動車以外からの騒音」の二つに分類することができます。

「自動車本体からの騒音」は下記のような自動車の構造体や稼動部が発生源となっているものです。中にはマフラーなど違法に改造された構造体が原因になっている場合もあります。
・エンジン
・吸排気系
・駆動系
・タイヤ
走行中の車の騒音は速度が速くなるほど大きくなる傾向がある一方で、アイドリング停車中のトラックの騒音が問題になるケースが少なくありません。

また「自動車以外からの騒音」については本来的には自動車騒音ではなく、多少広義な意味合いとなりますが、荷物の積み下ろし、社内スピーカーの音、乗り降りする人の話し声といったものがあげられます。特に工場や物流倉庫の近隣の場合、荷物の積み下ろしは早朝に行われることが多く、荷物の積み下ろしが問題となるケースが少なくありません。

自動車騒音対策の分類と方法(政府の対策)


政府は旧来より、さまざまな方法で自動車騒音の対策を実施してきました。騒音対策は大きく、下記4つのアプローチによって行われています。

① 発生源対策:自動車自体の静穏性を対策
② 交通量対策:交通量を最適化・減少させる対策
③ 道路構造対策:遮音壁・吸音体設置などの対策
④ 沿道対策:住宅の防音工事(助成)などの対策
この分類を見てもわかるとおり、自動車騒音は、単体の自動車自体のみだけでなく、自動車に接する道路の問題、交通量の問題、騒音を受ける側の対策の問題など、その問題の範囲や対策方法は多岐にわたることがわかります。
また、近年政府は、四輪車の社外騒音に関する国際基準を導入したり、不正マフラーへの改造に関する規則や基準を定めるなど、より一層自動車騒音については規制を強める方向で動いているようです。
(さらに詳しく知られたい方はこちらのレポートもご覧ください。)

ただし、上記の対策はあくまで「政府が行っている政策」であり「実際に被害に遭っている場合の対策」という訳ではありません。つまり、自動車騒音の被害に遭遇してしまった場合には自身で解決に向けてなんらかのアプローチを行う必要があるということです。

実際に自動車騒音被害が発生している場合はどうすれば解決できるのか


では実際に自分自身が自動車騒音に遭遇してしまった場合、どうすれば解決できるでしょうか。まず行うべきことは発生源を把握し、分類することです。前述のとおり、自動車騒音の発生原因は様々ですが、まずは自分の悩んでいる騒音が「不特定の自動車」によるものなのか、「特定の自動車」によるものなのかを切り分けてください。

不特定の自動車が原因の場合は訴える先がなく厄介(役所に相談)

不特定の自動車が原因の場合は一般的に解決が非常に困難であり、騒音問題を解決できるとしても非常に多くの時間を要します。なぜなら不特定の自動車が原因の場合は訴える先が無く(つまりすべての車に注意することができない)、多くの場合「交通量を減少させる」「防音壁を設置する」など社会インフラ側の変化が必要となるためです。
不特定の自動車による騒音に悩んだ場合は役所に相談に行きましょう。相談の際はなるべく付近の住民の方と事前に協力関係を築いておき、署名等を集めておくことも有効です。多くの同様の声が集まれば、長期的にはインフラ側の対策をしてもらえる可能性があります。
また、確実に効果のある方法としては(自分自身が悪いわけではないため費用を負担するのは納得がいかないかもしれませんが)自宅の防音工事があります。役所によっては沿道対策として防音工事助成などを行っていることもありますので、併せて相談してみると良いでしょう。

特定の自動車の場合は直接の苦情は避けて、役所と警察に相談

「毎週月曜日の23:00ごろにアイドリング停車しているトラック」など、特定の自動車が騒音発生源であるとわかっている場合は、直接苦情を言いに行きたくなりますが、それはお勧めできません。運転手のトラブルになり、場合によっては傷害事件に発展するものも少なくないためです。
このような場合は、直接苦情を言うのを避け、まずは警察や役所に相談しましょう。しかし、警察や役所によっては「個人の感覚値だからもう少し我慢してみては」などと、あまり動いてくれないことも多いでしょう(実際に同様のことを言われ当社に報告書を求められるお客様が多くいらっしゃいますので)。このような場合は「どのような資料(測定データ)があれば対応してくれるのか」を明確にしてもらい、資料をもとに訴えることが有効になる場合があります。実際に「定量的に騒音値を測定したレポートがあれば対応する」といった言質をとられ当社へご依頼されるお客様は多くいらっしゃいますし、その場合は資料を彼らに提供すると動かないわけにはいかなくなりますので、確実に有効といえます。
警察が動いてくれた場合のうち多くの場合、警察が注意したその瞬間はエンジンを切るなど騒音は解決しますが、また少しすると逆戻りすることが少なくありません。そのような場合は次のステップとして運転者個人や事業者に対して提訴するケースもあります。

自動車騒音についてはこちらのレポートも参照してください(>>レポート

騒音の資料提出を求められた場合は

「発生している騒音の資料(騒音発生を示す定量的な報告書)を警察に求められている」「近隣事業所を訴えるにあたり弁護士に騒音の資料提出を求められている」といった理由で当社にお問い合わせ・ご依頼されるお客様は少なくありません。音の大きさを定量的に明らかにして基準値や規制値を超える騒音であるかを確認するためには、測定器を用いた測定や分析を行って内容をまとめる必要がありますが、それらの作業は一般のお客様には難しいためです。当社では各種測定器(騒音計、振動計その他)による測定値の解析・分析・報告といった業務を行っておりますので、定量的な騒音の資料をお求めの際は是非ご相談ください(>お問い合わせはこちらから)。

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