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工事の騒音が迷惑!その作業は本当に正しく行われているの?

工事の騒音が迷惑!その作業は本当に正しく行われているの?

工事は私たちの生活をよりよくする上で必要です。例えば、憩いの場である公園や便利な駐車場を作ったり、たくさんの人が住んだり利用できるマンションや商業施設を作ったりと、特に建設作業によってその地域の住民の生活の質は向上すると言えるでしょう。ただ、一方で、工事現場付近の住民からすると作業による騒音は非常に迷惑であり、不必要なものと言えます。では、「社会のためになるから」という理由で建設作業には規制や法律が全く関係ないのかというと、そうではありません。建設作業は使われる機械や作業内容によって法律や条例で規制されます。このページでは、そういった規制が行われている各種の建設作業について紹介しています。

関連コンテンツ:騒音に関する規制と法律のまとめ(規制値、基準値、参照値):

騒音規制法と特定建設作業

騒音規制法は工場や事業場、建設作業によって発生する騒音を規制するための法律です。この法律では、建設作業の中でも「特に激しい騒音が発生する作業」かつ「政令で決められた作業」を「特定建設作業」と定めて規制対象にしています。この特定建設作業に該当する作業は以下となっています。

くい打設作業

主に地面に支柱を立てるために行われる作業で、くい打機(もんけんを除く)、くい抜機又はくい打くい抜機(圧入式を除く)を使用して地面に深い穴を空ける作業(くい打機をアースオーガーと併用する作業を除く)を指します。「もんけん」はくい打ち作業に使用される重り(重錘)のことで、昔は杭の上から人力でもんけんを落とし打設を行う「もんけん工法」がくい打ちの主流でした。ただ、騒音や振動が激しいことから、現在は重機によるくい打ちが主流となっています。

図.くい打機(写真右側の機械)

図.アースオーガー

びょう打等作業

びょう打機を使用してリベット(びょう)をとめる作業を指します。びょう打機は一般にリベットハンマー(またはリベッター、リべッティングハンマー、リベットガン)と呼ばれる機械が該当します。

破砕作業

さく岩機(手持式ブレーカー)を使用する作業で、主にコンクリートやアスファルトを破砕するために行われます。手持式ブレーカーの他に電動ピック、ハンドブレーカーなどの破砕用の機械を使用する場合も「さく岩機を使用する作業」に該当します。

図.手持式ブレーカー

掘削作業

バックホウ(原動機の定格出力が80キロワット以上)、トラクターショベル(原動機の定格出力が70キロワット以上)、ブルドーザー(原動機の定格出力が40キロワット以上)を使用して、地面を掘ったりならしたりする作業を指します。

図.バックホウ

図.トラクターショベル

図.ブルドーザー

空気圧縮機を使用する作業

空気圧縮機(電動機以外の原動機を用いるもので原動機の定格出力が15キロワット以上)を使用する作業(さく岩機の動力として使用する作業は除く)を指します。空気圧縮機は一般にエアーコンプレッサー(エアーコンプレッサ)と呼ばれていて、こちらの方が聞き覚えのある方は多いかもしれません。

図.エアーコンプレッサー

コンクリートプラント等及びコンクリート搬入作業

コンクリートプラント(混練機の混練容量が0.45立方メートル以上のもの)又はアスファルトプラント(混練機の混練重量が200キログラム以上のもの)を設けて行う作業(モルタルを製造するためにコンクリートプラントを設けて行う作業を除く)を指します。

図.コンクリートプラント

図.アスファルトプラント

特定建設作業を行うには届け出が必要

特定建設作業を行う場合には作業開始日の7日前までに各市町村長に所定の届出が必要です(東京都の場合は作業を行う場所の区・市の窓口に作業開始の7日前までに届出が必要です)。

特定建設作業には規制値がある

特定建設作業には85dBの規制基準値が定められており、敷地境界上で85dBを超える騒音が現場から発生していると認められた場合は改善勧告や改善命令の対象になります。また、区域ごとに「作業禁止時間帯」「最大作業時間」「最大連続作業日数」「作業を行わない日」が定められています(詳しくは以下のページをご覧ください)。

関連コンテンツ:騒音に関する規制と法律のまとめ(規制値、基準値、参照値):

工事が適正か疑問に感じたら

上記の特定建設作業はいずれも「著しい騒音」が発生するため、規制が行われていますし、工事を行うにあたって届け出が必要となっています。もちろん大多数の工事業者様は規制や規則を守った上で工事を行われていることでしょう。ただ、全ての業者様が必ず規制や規則を守った上で工事を行っているとは言い切れません。もし、騒音がひどく、適正に工事が行われているか疑問に感じたら、各市町村にお問い合わせされ、適切に工事が行われているかご確認いただくことが推奨されます(ご自身の身の安全を守るために)。また、もし騒音が規制基準値を超えているかをご確認される必要がある場合は当社までお気軽にお問い合わせください(>>お問い合わせはこちらから)。

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