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保育園や幼稚園などの保育施設による騒音と対策について

保育園や幼稚園などの保育施設による騒音と対策について

「保育園や幼稚園が近隣に新設されるのはうるさくて迷惑」といった固定概念のある方は多いと思います。これはマスメディアやニュースサイト等で「地域住民の反対により保育施設の建設が断念された」といった情報が流れる度、実際に保育施設周辺に住む住民のネガティブな意見を目にすることがあるからですが、保育施設の近隣に住んだことのある方以外には実感に乏しく、大多数の人にとっては「本当に騒音と呼べるような音が出るのかわからない」というのが実情ではないでしょうか(かくいう私も測定に赴いたことはありますが保育施設の近隣に住んだことはありません)。このページではそういった「保育施設による実際の騒音」と対策について紹介しています。
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保育施設(保育園、幼稚園)による一般的な騒音の音量

保育園や幼稚園では様々な活動が行われており、それらの活動時における園内の音の大きさは「昼食、自由時間、読み聞かせ」で70~75db、「歌、リズム運動」で80~90db程に達します。また、園庭(教室外)で遊ぶ園児による遊び声は平均70~80db程で瞬間的には100db以上に達することもあり、これらの音を環境基本法や騒音規制法の基準値と照らし合わせた場合は一般的な基準値を超えるため、「騒音」と呼ばれる音に分類されることになります。
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保育施設、特に園内の騒音への対策について

教室内での騒音は上記の通り、概ね70~90db程に達しますが、何も対策を行わない場合、例えば窓を常時開け放った状態で活動を行った場合は近隣に対して大音量の騒音を発し続けることになります。ただし、乳幼児に「活動時に出る音を調整させる」ことは非常に難しいことですし、我慢を強制することには知育上、賛否両論あると考えられます。したがって、園内の騒音に対して対策を行うのであれば、「園児(直接の騒音源)に対して」対策を行うのではなく「騒音が外部に漏れないような」対策を行うことになります。なお、昔と違い現代では遮音・吸音性の高い素材が随時開発されており、防音対策を行うことはさほど難しくありません。例えば、遮音性、吸音性が高い素材でできたガラス・建材・床材などで室内に対する防音対策を行うことが可能です。また、通風孔、換気口など設備・構造上の問題の場合は設備自体の交換や移設などによって外部に漏れる騒音を比較的小さく、少なくすることも可能です。

園外に漏れる騒音への対策について

教室外(園庭)から園外に漏れる騒音の対策としては遮音壁と植林が挙げられます。まず、一般的な遮音壁は3m程の高さのもので概ね15~30db程の遮音効果を有しているため、保育施設を囲むように設置することで、園庭における騒音:凡そ70~80dbを園外において40~50db程度に抑えられる場合があります(効果は遮音壁自体の遮音性能、壁の高さ、周辺構造物による反射等に依存します)。また、保育施設内外における景観等の観点から遮音壁での対策が難しい場合は、植林による遮音を検討してみてもよいでしょう。植林による遮音効果は樹木の種類、生育具合(高さや葉の茂り具合)、植林する密度によって異なりますが、概ね10~25db程の遮音効果を有します。

騒音測定の必要性

保育施設関連での当社へのお問い合わせ・ご依頼は大きく三つに分かれます。保育施設関係者の方からの「近隣住民の方々から苦情が出ており実際の騒音の音量を確かめたい」というもの、「騒音対策の前後における騒音の減少量を確認したい」というもの、そして、保育施設近隣に住む方の「施設や市区町村に騒音の苦情を申し立てたいが、まずは実際に騒音と呼べる音量なのかを確かめたい」というものです(いずれのパターンにおいても騒音レベルを測定・分析する必要があります)。当社は音量の確認に必要なサービスを各種提供差し上げておりますので、ご入用の際はお気軽にお問い合わせください(>>お問い合わせはこちらから)。

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