最近「民泊」というキーワードをよく聞くようになりました。民泊とは、主に空き家を旅行者(外国人が多い)に貸し出す、私営の民宿のようなものです。このような民泊が増えるに従い、付近にお住まいの方が、民泊に伴う騒音が気になり、寝不足等の健康被害を被るといった騒音問題も増加しています。民泊の下記のような特徴により騒音問題を発生させやすくしているようです。
旅行者の生活リズムは生活者とは異なる
旅行者は旅行に来ているわけですから、夜遅くまで行動することが多く(つまり、深夜の出入りが多く)、また、旅行中ということもあって、深夜まで音楽をかけ宴会を行い、騒いだりすることがあります。人によっては日本語ではなく、外国語が聞こえてくることに対してストレスを感じられる方もいらっしゃるようです。
商業立地ではなく、住宅地である
通常ホテルは商業地域にあることが多いですが、民泊はもともと住居として利用されていた建物を貸し出すわけですから、ほとんどの場合住宅地にあります。つまり、暗騒音が少ない(もともと静かな場所)であるから、より一層騒音については目立ちやすい立地であるといえます(一般的に住宅地域における騒音規制値の閾値は商業立地よりも低く設定ていることからもわかります)。
違法民泊・違法操業のアプローチでの解決は難しい
現在政府や地方自治体は、まだ「民泊」に対してどのようにルールを規定し、対応するか決めかねているように見えます。見せしめのために逮捕される事例なども出てきておりますが、現状ではまだ根本的な方針が打ち出せていないのだと思います。
したがって、隣家が違法に民泊を行っており、そこから発生する騒音がうるさいと警察や保健所などに訴えたとしても、方針が決まっていないので、すぐに対応してくれることは少ないようです。
定量的な騒音データのアプローチで解決を試みる
つまり、民泊かどうかは関係なく、「受忍限度を超える騒音が発生しているため、騒音を発生させている行為を中止しなさい」というアプローチが現在取れる選択肢になるかと思います。被害者としては、旅行者だろうと、元々の住人だろうと、騒音に困っているはずです。騒音の原因が民泊であれば、その行為をやめてほしいと訴えるわけです。
訴えるためには主観や感覚ではなく「定量的な測定データ」が必要になるかと思います。定量データが必要な場合は当社にご相談ください。

【著者情報/略歴】2014年より日本騒音調査カスタマーサービス部門、HP記事担当。年間1,000件を超える騒音関連のお問い合わせに、日々対応させていただいています。当HPでは、騒音に関してお客様から、よくいただくご質問とその回答を一般化して紹介したり、当社の研究成果や学会(日本騒音制御工学会等)に寄稿した技術論文記事をかみ砕いて説明させていただいたり、はたまた騒音関連のニュースを解説させていただいたりしています。
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