騒音問題で訴訟を行う場合に掛かる弁護士費用はどのくらい?

様々な手段や方法を用いても騒音問題が解決しない場合、訴訟(裁判)に発展するケースは少なくありません。そして、騒音に関する訴訟(騒音訴訟)は経済的・時間的な負担が大きくなりやすく、騒音トラブルを解決するための最後の手段の一つと言えます。ただ、最後の手段であるだけに騒音訴訟に関する知識は誰しもが持ち得るようなもの(一般的なもの)ではありません。このページでは、そういった一般的でない知識、特に「騒音訴訟にどの程度の費用がかかるのか」といった事柄を中心に訴訟の概要や事前準備などについても解説しています。

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騒音に関する裁判で被害者が勝訴する例も少なくない


昔は騒音問題で訴訟を起こしても勝訴することは難しく「騒音は我慢するしかない」というのが一般的な考え方でした。というのも、日本の騒音問題は高度経済成長期からの建設ブームに伴い徐々に表面化していった背景があり、当時の世論が比較的騒音に対して寛容であったためです。ただ、現代では騒音に寛容であった時代から、少しずつ流れが変わってきています。例えば、近年勝訴した判例として次の各判例のような裁判があります。宗教施設からの祈祷時に発生する騒音に対する訴訟、学校のエアコンの室外機からの騒音に対する訴訟、マンション上階に住む子どもの足音による被害に対する訴訟などです。これらの訴訟における裁判上の記録では、「条例や環境基準などで定められた値よりも問題の音が上回っている場合」や「音の発生源が真摯な態度で応じていない場合」、裁判所で違法と判断されています。

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訴訟の前に行っておくべきことは?―弁護士への相談など


では、実際に訴訟を起こすとすればどう行動していけば良いでしょうか。まずは冷静になって、ほかの選択肢が無いか、本当に訴訟するべきかを吟味する必要があります。。
上記や下記の関連コンテンツでも紹介していますが、訴訟は騒音トラブルを解決するための最後の手段の一つです。もし他に騒音問題解決へのアプローチ方法があるのであれば先にその方法を試されて、それでも解決できない場合、最終的に検討されるべき手段と言えます。
その上で裁判を起こす場合には(特に中にはご自身だけで対応される方もいらっしゃいますが)多くの場合素人だけで対応することは難しいため、専門家、つまり弁護士に事前に相談・依頼するのが一般的です。なお、弁護士の先生に相談に伺う際は「被害の状況」「最終的にどうしたいのか」「現状持っている証拠」等について必ず聞かれますので、相談の前にそれらを整理しておくとよいでしょう。

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騒音訴訟・弁護士費用はどれくらい?相場はあるの?

訴訟に必要な費用には大きく①裁判所に支払う費用(裁判所手数料)と②弁護士に支払う費用の2種類に分けることができます。騒音関連訴訟の場合、一般には①の裁判所に支払う費用があまり高額になることはありません。この裁判所手数料については次の通りです。

訴訟の目的価額 裁判所手数料
500万円まで 20万円ごとに1,000円
1,000万円まで 50万円ごとに2,000円
1億円まで 100万円ごとに3,000円
50億円まで 500万円ごとに1万円

②弁護士費用は、以前は報酬会規で費用が決まっていたのでこれを基に算出していました。しかし、会規が撤廃され各々価格を決められるようになりました。とはいえ未だにこの会規を参考に設定している場合が多く、費用の相場として使用されているようです。
弁護士費用は多くの場合「着手金」と「報奨金」および「弁護士日当」に分けることができ、着手金と報奨金については、下記のように額が大きくなるほど経済的利益に対する割合(%)が下がっていきます。

経済的利益の額

着手金割合

報酬金割合

300万円以下の部分

8%

16%

300万円を超え
3,000万円以下の部分

5%

10%

3,000万円を超え
3億円以下の部分

3%

6%

3億円を超え部分

2%

4%

たとえば会規上では経済的利益の額が300万円以下の場合、着手金8%、報酬金は16%となっています。いくつかの経済的利益について着手金と報酬金を計算したものが下記です。

経済的利益

着手金

報酬金

100万円

10万円

16万円

300万円

24万円

48万円

500万円

34万円

68万円

1000万円

59万円

118万円

3000万円

159万円

318万円

5000万円

219万円

438万円

1億円

369万円

738万円

たとえば経済的利益が300万円の場合、着手金24万、報酬金48万の合わせて72万程度が経済的利益によって導き出される弁護士費用となります。さらに、経済的利益の額とは関係のない弁護士の日当が加算されます。弁護士日当の相場は1時間1万円ですので、合計でたとえば30時間かかった場合には30万が加算されることとなります。
つまり、経済的利益300万、弁護士稼動30時間の場合、合わせて102万程度が弁護士費用の総額(の相場)となります。
一方現在では弁護士費用は自由価格となっておりますし、弁護士によって経済的利益の額の解釈に違いがあったりもしますので注意してください。費用についてはうやむやにせずに委任契約前に確認することが大切です。

騒音測定なら当社にお任せください

訴訟では、多くの場合、客観的、定量的な証拠(なんらかのデータを示す報告書など)が必要になります。特に、騒音には「住んでいる地域ごとの騒音値の基準」が定められており、基準値を超えるかどうかを定量的に示すことが重要になります。当社では弁護士先生経由でも多くのご依頼をいただいておりますし、測定や報告書の作成も行っておりますので、騒音の解析報告書をお求めの際は当社までお気軽にお問い合わせください(>>お問い合わせはこちらから)。

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