振動測定調査のポイント

当社では日々さまざまなお客様向けに振動調査を実施しております。このページでは振動を測定する際に留意するべき、いくつかのポイントを紹介差し上げます。

何のために振動を調査するのか、測定の目的を明らかにする

振動の測定を行う場合は、はじめに「何のために振動を調査するのか」を明らかにする必要があります。たとえば「工場の振動を測定したい」場合でも、工場から発生している振動を測定し明らかにしたいのか、それとも自分の家まで届いている振動を明らかにしたいのか、また測定結果の活用方法についても、単純な管理のために使用するのか、第三者との話し合いのために活用するのか、などを明らかにする必要があります。これらの目的によって、何点測定するのか、どれくらいの期間測定するのか、どのような分析をするのかなど、測定の前提となる条件が変わるためです。

【測定の目的例】

・苦情の申し立て・交渉のため
・法令(振動規制法)への適合性を確認するため
・人体や建物への影響を評価するため
・振動の発生源を特定するため

【お悩みの例】

・近隣住民の方:「工事の揺れで眠れない。客観的な証拠を示して、配慮を求めたい。」
・工場・事業所の担当者様:「新しい機械を導入する前に、周辺への影響がないかデータで確認し、万全を期したい。」
・建設会社の現場監督様:「近隣への説明責任を果たすため、法律に基づいた正式な測定報告書が必要だ。」
・ビル・マンションの管理者様:「入居者から振動の苦情が…。原因を特定して、適切な対応を取りたい。」

なぜ「測定」が不可欠なのか? 私たちがご提供できること

振動問題がこじれてしまう原因は、「感覚」と「感情」で話が進んでしまうことにあります。だからこそ、誰もが納得できる客観的なデータが、冷静な対話と適切な判断の土台となるのです。

住民の方にとっては、

感情的な訴えではなく、「規制値に対して〇dB高い」という事実に基づいた、説得力のある話し合いの材料になります。

事業者様にとっては、

「法律の基準を遵守している」という証明になり、事業活動を守るためのリスク管理に繋がります。

私たちの役割は、あくまで公平中立な立場で、正確な振動測定を行い、客観的なデータを報告することです。法律に関する最終的な判断を下したり、対策工事そのものを行ったりするものではありません。ただ、ご提供する「事実データ」こそが、お客様ご自身が、あるいは弁護士や専門家の方が、最善の解決策を見出すための羅針盤になると信じています。

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振動計(レベル計)はどのような場所に設置するべきか

振動の測定調査では振動計の計測部(ピックアップと呼ばれます)をどのように設置するのかが最も重要となります。設置が不適切な場合、本来の振動以上に測定される場合もありますし、逆に実際のあたいよりも小さく計測されてしまう場合もあります。

正しいデータを取るためには、測定器をどこに設置するかが極めて重要です。

・敷地境界線: 法令基準と比較するための基本です。

・建物内(床): 実際の体感や影響を評価します。

・発生源の近傍: 振動源の推定・特定に繋がるデータを取得します。

正確な測定のための、一般的な注意点

環境の変化が測定値に影響を与える可能性があるため、測定の際には以下の点にも注意を払う必要があります。これらを徹底することが信頼できる報告書を作成するための最低条件であると私たちは考えています。

・天候の影響
強風や大雨は地面を揺らし、データに影響を及ぼすことがあります。正確なデータ取得のため、季節や天候によっては測定日程の再調整が必要になる場合もございます。

・周辺の突発的な振動
測定中に大型車両が通行するなど、調査対象とは別の振動が発生することがあります。それらを記録・区別し、データの信頼性を確保する必要があります。

・測定器の確実な設置
振動の測定調査では振動計の計測部(ピックアップ)をどのように設置するのかが最も重要となります。設置が不適切な場合、本来の振動以上に測定される場合もありますし、逆に実際の振動より小さく計測されてしまう場合もあります。

法令に定められた振動計(ピックアップ)設置方法

1 緩衝物がなく、かつ、十分踏み固め等の行われている堅い場所
2 傾斜及び凹凸がない水平面を確保出来る場所
3 温度、電気、磁気等の外囲条件の影響を受けない場所

振動測定の際の一般的な注意点

①振動ピックアップを設置する面は固い面とし、地表面を強く踏み固め、雑草等 が生えている場合には、これらを引き抜いた後で踏み固める。
②鉄板、コンクリートなどで滑りやすい場合は、両面テープ等で振動ピックアップ が動かないように固定する。
③草地、畑地、砂地等で地中まで柔らかくなっている場所での測定は避け、代わ りの測定場所を探す。
④どうしても適切な場所がなく上記のような場所で測定を行う場合は、下記のよう に措置する。
・ コンクリートブロック等を土中に埋め込み、その上に振動ピックアップを設置 する。
・ アルミ板を杭で固定して、その上に振動ピックアップを設置する。
・ せっこうで地表面を固めて振動ピックアップを設置する。
⑤ 測定員の歩行等による振動が測定値に影響する場合があるので、振動ピックアップの周りを歩かない。

振動測定の場所と位置

振動を計測する場所は、基本的に敷地境界で行われます。たとえば、特定工場から被害を受けていると見られる住宅があったとして、「特定工場から基準値以上の振動が発生していることを明らかにしたい場合」には、工場の敷地境界で実施することが望ましい(工場にとって厳しい条件)でしょうし、「被害者宅に基準値を超える振動が到達していることを明らかにしたい場合は」被害社宅の敷地境界にて振動を測定することが望ましいと考えられます。

測定結果はどのように評価するか

振動はその発生源によって、波形や特性が異なります。それぞれの波形に対して下記のような適切な評価を行うのが適切とされています。

波形例

説明

測定値の分析決定方法

  指示値が変動せず、又は変動が少ない場合 その指示値
  指示値が周期的又は間欠的に変動する場合 変動ごとの最大値の平均値
  指示値が不規則かつ大幅に変動する場合 5 秒間隔 100 個以上又はこれに準 じる間隔と個数の測定値の Lv10

ただし、上記の評価方法は従来アナログ式の計測器のために規定されていたものであり、当社でも使用しているデジタル式の計測器では、さらに細かい測定間隔で多くの測定値を解析する(たとえば0.1秒間隔で3000~6000ポイント)ことが主流となっています。


従来型のアナログ振動レベル計(測定値を目で見てメモする)

振動を測定するべき時間帯

「いつ振動を測定するべきか」はその調査目的によります。もし苦情申立人がいるのであれば、その方が被害を感じている時間帯に測定をするべきです。振動の状況や傾向把握が目的であれば24時間、曜日ごとの傾向を見るために一週間は測定をしたほうが良いでしょう。また振動規制法では昼間と夜間で基準値が分かれていますので、法令基準値との比較をしたい場合には、時間を分けて(あるいはまたがって)測定を実施するべきです。近年使用されているデジタル振動計は比較的長期の調査が可能ですので、長めに測定を行っておいて、後に必要なデータを抽出する方法が多く採られています。

振動計測に使用する装置

振動を測定するためには「振動レベル計」と呼ばれる測定器が用いられます。これらの測定器は振動の大きさ、とりわけ人が感じる間隔地補正を行った振動レベルを測定できる必要があります。当社ではリオン社(RION)のVM-53Aを使用しております。

スペック リオンVM-53A

形式承認番号 第W031号
適用規格 計量法・振動レベル計 JIS C 1510:1995
測定周数範囲 振動レベル:1~80Hz、振動加速度レベル:1~80Hz
測定レベル範囲 振動レベル Lv-Z25~120dB、Lv-X/Y30~120dB
振動加速度レベル Lva30~120dB(OdB=10-5m/s2
周波数補正 鉛直振動特性(計量法またはJISによる)、水平振動特性(JISによる)、平たん特性(JISによる)
レベルレンジ 10dBステップ6レンジ切替、3方向独立
10~70、20~80、30~90、40~100、50~110、60~120dB
リニアリティレンジ 70dB
測定時間 設定された測定時間で演算測定が可能。10秒、500秒、1分、5分、10分、15分、30分、1時間、4時間、8時間、24時間、マニュアル(最大199時間59分59秒)
サンプリング周期 78µs(パワー平均、Lmax、Lmin、最大値ホールド)
100ms(Lx)ただし、測定時間500秒の場合のLxは5秒
電源 単2形乾電池×4、ACアダプター
使用時間 アルカリ乾電池(LR14):約35時間
マンガン乾電池(R14PU):約12時間
常温、3方向の瞬時値測定、バックライトOFF、オプションOFF、交流出力の設定
消費電流 約120mA(DC6Vにおいて)
使用温度範囲 -10~+50℃、90%RH以下(結露のないこと)
寸法 約203(W)×56(H)×175(D)mm
重量 約1kg(電池含む)
振動ピックアップ 型式 PV-83C(3方向型)(特許第2581901号)
基準感度 60mV/m/s2
寸法・重量 φ67×40.7mm・約355g
防水性 JISCO920保護等級7(防浸形)

>>カタログ

>>メーカー取扱説明書(当社からお貸し出しする場合にはわかりやすい簡易説明書を同梱しております)

振動の周波数ごとに、人の感じ方は異なる

振動測定の計測器を使用しなくても大まかな振動の周波数(振動数)を類推することは可能です。おおむね0から10Hz程度の周波数の場合は(もちろん触れ幅にもよりますが)ゆっくりした動きで「目視」が可能な場合があります。次に10から1000Hz程度の振動数の場合は、目で見ても振動を見ることは難しいですが、手で触れると振動していることが分かります。1000Hzを超える振動の場合は、手で触っても感じないが音として耳で聞くことができる場合があります。
上記のようにデジタル的に数値で分けられるわけではなく、実際にはグラデーションになっていますし、人の感覚にも依りますが、振動を測定調査する前の目安にはなるかもしれません。

お客様の課題解決事例

ケース1:近隣の工場による振動にお悩みだったA様(戸建て住宅)

お客様の課題:「隣の工場のせいで夜間に揺れを感じて眠れない。しかし、感覚だけでは話を聞いてもらえないのでは…」「話合いの際の資料がほしい」とご相談。

当社の対応:レンタルプランをご利用いただき、A様はご自宅(寝室)で24時間の連続測定を数日実施され、当社は特に揺れを感じるという夜間のデータを時間帯に分けて詳細に分析しました。

結果:報告書により、夜間に断続的な振動が発生し、規制値を超えるレベルに達していることが判明。A様はこの客観的データをもとに建設会社と建設的な対話を行われるご予定とのことです。

ケース2:新設備導入を検討されていたB工業様(工場)

お客様の課題:「生産能力向上のため新しい設備機械を導入したいが、近隣への影響が心配。事前に安全性を確認し、住民の方へも説明できるようにしておきたい。」

当社の対応:既存の機械稼働時の振動と、工場が稼働していない時間帯の「暗振動」を測定。両方のデータを比較可能な形で報告しました。

結果:既存の設備機械と導入予定の機械の振動を報告書と仕様書を基に比較できる形になり、規制基準を十分に下回る予測がたてられました。「これなら安心だ」と計画通りに設備を導入され、その後も問題無く営業されています。

振動の測定調査なら当社にお任せください

振動の被害が発生している場合、まずは「どの程度の振動が発生しているか」を明らかにすることが重要です。当社では振動の測定調査サービスを提供しておりますので、当社にお役に立てることがございましたら、お気軽にご連絡ください。

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