【騒音対策】騒音発生源のコントロールと防音壁や吸音材による防音対策

工場設備やエコキュートをはじめとする装置において騒音・低周波音被害が発生し、調査を行うことで実際に受忍限度や参照値を超える音の発生が明らかになった場合どのように対処すればよいでしょうか。騒音対策のアプローチは「対処するポイント」の切り口から下記の二つに大別することが出来ます。

① 騒音発生源自体をコントロールする:騒音自体を発生させない
② 発生してしまった騒音を減衰させる:防音壁や・吸音材を設置することによって騒音を低減させる

①騒音発生源自体をコントロールする:騒音自体を発生させない

生活騒音は人が生活することによって生まれる騒音であり、騒音発生源は人ですが、それ以外の多くの場合、騒音は何らかの設備や装置から発生しています。騒音発生源が設備や装置の場合「騒音発生源自体をコントロールする」とは具体的には下記のような方法です。

1.装置を移動する
>例)被害者から装置を遠ざける、騒音発生方向を測定し、装置の向きを変える。
2.装置稼働を止める
>例)完全に止める、被害者が気になる時間を聴取し止める、夜間は停止する。あるいは出力を低下させる。
3.装置を改造する
>例)防振ゴムなどを設置する、劣化部品(ベアリング・ギア・軸その他電装部品、回転部分)を新品交換する、あるいは部材の材質を変える。

これらの対策をとることが出来れば問題ないのですが、装置の稼働目的(ある目的のために止めたり、移動させることが出来ない)や金銭的なハードルによりこれらの対策をとることが出来ない場合が少なくありません。
例えば水力発電所や風力発電所から低周波音が発生していても、発電所自体を移動させたり稼動を止めたりすることは難しいことがお分かり頂けるかと思います。騒音発生源自体をコントロールすることが出来ない場合は②発生してしまった騒音を減衰させる対策の検討が必要となります。

②発生してしまった騒音を減衰させる:防音壁や・吸音材を設置することによって騒音を低減させる

「騒音の低減」とは、音の性質である、反射や吸収のといった特徴を利用して、一度発生してしまった騒音が被害者に届く量を少なくするというアプローチです。具体的には「壁や床に防音・吸音材を設置する」、「騒音発生源の近くに防音壁を設置する」といった方法が一般的です。

防音壁・吸音材による対策は「後付けが容易」だというメリットがある

「発生源のコントロール」では装置自体に騒音対策を施すのは難しいことが少なくないとご説明しましたが、防音壁・吸音材による対策は装置自体を改造したり、場合によっては稼働を止める必要が無い等、対策が容易であるという特徴があります。このようなメリットにより、装置自体をコントロールできない場合、防音壁や吸音材による対策が行われています。

防音壁・吸音材を選定するために検討すべき事項

実際に防音・吸音材によって騒音対策をする場合、下記のような事項を検討する必要があります。

材質・材料

固体はその材質や形状によって、「吸収しやすい騒音の周波数」「反射しやすい騒音の周波数」等が異なります。そのため、発生している騒音周波数によってさまざまな材質を組み合わせて、適切に音を反射、吸収させる設計を行います。例えば、一般的に密度が高い(体積当たりの重さが重い)ほど、低周波域の音を吸音するといわれています。

厚さ

同じ材質であれば、パネルの厚さが厚いほど、防音効果は高まります。十分な効果が得られる厚さを設計する必要があります。厚さが高まれば効果が高まる一方でコストにも反映されるので注意が必要です。

大きさ/形状/設置場所

必要なパネルの大きさや形状は「騒音がどのように空間を伝播しているか」によって適切に設計する必要があります。一部のみの遮断では防音効果もまた、限定的なものになります。出来るだけコストを下げるためにはパネルの面積を小さくする必要があり、パネルの面積を小さくするためには、出来るだけ騒音発生源の近くに設置することが望まれます。

効果をテストしてから本格設置することが望ましい

どんなに精緻に防音設計したとしても、実際に設置工事した後に効果が不十分であること、理論通りに効果が出ないことが発覚することも少なくないようです。音は見えないものですので、思わぬ場所から回り込んできていたり、また人によって感じ方が異なるので、数値上は低減出来ていても被害者には不十分だということもあります。
したがって、可能であれば実際に大規模な工事や設置をする前に、小規模なテストして実際に効果があるかどうかを試すことをおすすめしています。

防音・吸音についても、当社にご相談ください。

当社パートナー企業との協力により、防音壁や吸音材、床材の施工をはじめとする防音対策についても対応させていただいております。防音に関する課題についても、ぜひご相談ください。

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