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隣人から騒音で通報された場合の対処法

隣人から騒音で通報された場合の対処法

当社に寄せられるお問い合わせには「隣人の騒音をなんとかしたい」というものが多くはありますが、実は逆に「騒音で疑われているが自身が原因ではないことを証明したい」という方も多くいらっしゃいます。実際に近隣に住む方から警察に通報され、「自身が行っている訳ではないのに警察に通報されて非常に迷惑している」という方からのお問い合わせをいただくことも少なくありません。ただ、一般に「警察に通報される」という経験を持つ方は世の中にそう多くはいらっしゃらないはずですので、通報されたらどのように対処すればよいか、といった知識を持つ方は稀(まれ)ではないでしょうか。このページでは、警察に通報されることによる実害(冤罪の場合)と、その対処方法について紹介しています。

警察官による騒音の警告を無視するとどうなるか

音に関連する法律はあまり知れ渡っていると言えませんが、実は「軽犯罪法」という法律の中で「公務員の制止をきかずに人声、楽器、ラジオなどの音を異常に大きく出して静穏を害し近隣に迷惑をかけた者は、これを拘留又は科料に処する」旨の記述があります。つまり、公務員である警察官の制止(「やめてください」といった警告)を無視して騒音を出し続けた場合、警察による拘留※や科料※などの処置が科される場合があるということです。加えて、拘留や科料が科された場合は履歴書に記載すべき賞罰の対象となるため、決して軽いペナルティーとは言えません。

※拘留:1日以上30日未満の期間、刑事施設(拘置所など)に拘束されること
※科料:軽犯罪を犯した場合に徴収される金銭。科料は1,000 円 以上1万円未満とされており「罰金(1万円 以上)」より低い金額に設定されている。

自身が騒音を出していたと認められる場合は

警察官から質問を受けることは一般には非常に怖く(悪いことをしていなくとも怖いものです)、緊張を伴うことでしょう。ただ、だからといって訪ねてきた警察官に対して話を聞き流したり扉を閉めて閉じこもったりしてしまうと「警告を無視した」とみなされかねません。もし通報を受けた警察官が訪ねてきたら理由を確認し、自身が騒音を出していたと認められる場合は素直に受け入れ、騒音を発生させないよう行動すべきです。例えば通報の理由が宴会による騒音であれば終了する、ゲームであれば音量を下げる、叫ばないようにする、洗濯や掃除などであれば別日の別の時間帯に行う、などの行動が望まれます。また、これら改善のための行動については警察官に説明しておき、可能であれば「こういった対応をする」と苦情主に伝えてもらえるとなお良いと言えるでしょう。

自身が騒音を出していない場合は

訪ねてきた警察官に確認し、「いわれのない騒音の発生」が訪問の理由であれば、自身が騒音を出していないことを説明する必要があります。特に集合住宅では構造上の理由から予想外の場所の騒音が伝わることがありますし、住宅が密集している地域であれば他の家の騒音を勘違いしているケースもあり得ます。もし警察が苦情を受けた騒音が「自身の聞いたことのある騒音」であれば、その音が聞こえる時間帯や場所、方向などを可能な限り詳細に伝えることが重要です。また、詳細を伝える際に、可能であれば部屋の中や敷地内を確認してもらい、「自身が騒音を発生させていないこと」を最大限アピールすることも同様に重要といえるでしょう(苦情主に潔白であると伝えてもらえる可能性があります)。

「騒音を出していなかったこと」を証明することは難しい

ただし、「当時騒音を出していなかったこと」を証明するのは非常に難しい(当時の部屋の中を録画でもしていない限りは難しい)ため、自身が騒音を出していないことを信じてもらえない、という状況は十分にあり得ます。特に、常習的に通報しているような苦情主の場合、潔白だと主張したところで「警察が来ているときだけ騒音が出ないようにしている」などとして聞く耳を持たないケースが大半と言えるでしょう(実際に同様の件で当社にご相談される方が多くいらっしゃいます)。

第三者への協力を要請することが望ましい

もし自身が関係ないのに何度も通報されてしまう場合、第三者への協力を要請することが非常に重要です。当事者同士であれば感情的になりやすくもありますし、特に近年では騒音トラブルを基にした凄惨な事件も起きていますので、間に誰かを挟んだ形で解決を図ることが望ましいでしょう。協力を要請する第三者としては、集合住宅であれば管理組合や管理会社、戸建住宅の場合は自治会などがあります。複数回通報された場合はそういった第三者に相談し、話合いの際も間に入ってもらうことが問題をこじれさせないために必要です。

「騒音を出していない証拠」を求められたら

話合いの中で「普段騒音を出していない証拠」を求められた場合、通常、確たる証拠の用意はできません。なぜなら、自身の生活を録音・録画する人は一般にいませんし、録画や録音を行うとしてもそれを誰かに見せることで自身のプライバシーが著しく侵害されるためです。ただし、「騒音の測定データ」はプライバシーを侵害することはありません。測定データはあくまで「数字」ですので何をしているか、何をしゃべっているかなどは記録として全く残らないためです。また、騒音の測定データをグラフ化すれば「普段苦情がある時間帯に自身の家が静かである」ことを証明することができる可能性もあります。なお、当社ではそういった「測定データや数値のグラフ化」を提供するサービスを行っておりますので、ご必要の際は当社までお気軽にご相談ください(>>お問い合わせはこちらから)。

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