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敷地境界線における騒音測定
騒音に関する基準値の多くは敷地境界点における基準値となっています。敷地境界線とはその名の通り敷地の境界線、つまり自身の敷地と、他者の敷地の境界線のことを言います。騒音は発生源に近いほど大きく、発生源から離れるほど減衰し値が小さくなる、すなわち測定する場所によって音圧レベルが異なるため、測定位置が定められています。つまり大きな騒音が発生する装置や設備がある場合においては適切な防音設備による騒音対策を行い敷地境界線において定められた基準値を下回る騒音レベルにしなくてはなりません。
敷地境界線における測定点の高さ
一方で注意しなくてはならないのは測定点の高さです。一般的に騒音を計測する測定点の高さは1.2~1.5mで測定されますが、実際に苦情が発生しているような場合は明確には定められておらず、事例ごとに合理的に判断しなくてはならないとされています。特に騒音発生源と受音点(実際には合理的な測定点は以下のように考えるのが一般的です)。

すなわち、①発生源と受音点がいずれも低い位置にある場合においては「1.2~1.5m程度の高さ」、②③発生源と受音点の高さが異なる場合は「2点を結んだ直線と敷地境界線の交点」において測定を行うことが望ましいとされています。
高所における測定や、障害物を超える測定について
騒音の発生源、あるいは騒音の影響を受ける場所(受音点)は、必ずしも地上にあるとは限りません。例えば、「防音壁を越えて届く工場の騒音」、「隣家の2階の窓から聞こえる音」や「高い塀の向こう側にある室外機」などが問題となるケースは非常に多く存在します。このような場合、地面の高さ(地表から1.2〜1.5m)で測定しただけでは、実際に耳に届いている音の大きさを正確に評価できない可能性があります。そこで活用するのが「高高度用三脚」です。高高度用三脚は、騒音計自体やマイクロホンを最大で5m程度の高さまで持ち上げることができる特殊な機材です。この機材を用いることで、以下のような、より問題に即した測定が可能となります。
- 2階や3階の窓、ベランダなど、居住空間で実際に騒音が問題となっている高さでの測定
- 建物の屋上に設置された空調設備の室外機や冷却塔(チラーユニット)など、高い場所にある発生源の測定
- 高い塀や防音壁などの障害物がある場合に、その影響を考慮した測定
高高度用三脚を使用して、騒音の影響を最も受けている場所(実際の居住空間の窓の高さなど)で測定を行うことにより、単なる敷地境界線上の測定よりも、被害の実態に即した、より精密で信頼性の高いデータを取得することができます。
ケーススタディ:高高度三脚が必要となった事例(工場騒音と防音壁)
ご相談内容
「自宅の隣にある工場が設置した防音壁。しかし、壁ができてからも2階の寝室では工場の機械音がうるさく、窓を開けられない。工場の担当者や行政に相談しても、『防音壁があるので基準値以下のはずだ』と言われ、具体的な調査をしてもらえなかった。」
測定と結果
ご相談者様のお話の通り、地上(高さ1.5m)で測定すると、防音壁の効果により騒音レベルは規制基準値を下回っていました。これが、行政などが動いてくれなかった原因と考えられます。
そこで、騒音が回り込んでくる防音壁の上部を超える高さ(約4m)にマイクロホンを設置するため、高高度用三脚を使用。ご自宅の2階窓の高さに合わせて再度測定を実施しました。
その結果、防音壁の上部では音の減衰が少なく、地上での測定値よりも15dB以上も騒音レベルが大きく、規制基準値を明確に超過していることが判明しました。
当社では、こうした特殊な状況にも対応できる専門機材と、それらを適切に運用するノウハウを備えておりますので、騒音問題でお困りの際はお気軽にお問合せください。













