騒音録音はボイスレコーダーではなくPCMレコーダーで行うべき

騒音を録音するためには一般的なICレコーダー(ボイスレコーダー)ではなく、リニアPCMレコーダーを使用するべきです。その理由を下記にて説明いたします。

一般的なボイス(IC)レコーダーでの騒音録音は不適切

よく当社にいただくお問い合わせに下記のようなものがあります。
・ボイスレコーダーで騒音は録音できるのか?
・発生している騒音をボイスレコーダーで録音したが記録されていないけどなぜか?
結論から言えば一般的なボイスレコーダーは騒音を録音するには向きません。特にあまり大きくない音や、周波数が高い/低いなど人間の耳で聞こえにくい音についてはボイスレコーダーでは録音できないことが多いようです。

一般的なボイスICレコーダーでは録音データが圧縮され劣化する

一般的なボイスレコーダーは会議の録音などの音声を録音するために設計されているもので、その主目的は「なるべく安価に会話の内容を記録する」ことです。ただ、電子機器類のデータ記録容量が大きい商品は一般に高額になります(スマートフォンやパソコンなどで容量が大きいもの程高額になることに覚えがある方も多いと思います)。このことから、特にSDカードを挿入できないような単体で記録する形式のボイスレコーダーではそれ程長時間の録音ができないのでは、と思われる方もいるかもしれませんが、そのようなことは無く、ボイスレコーダーは比較的安価なものでも長時間の記録ができる仕様になっています。これは、できるだけ小さな記録容量で長時間の録音を実現してデータ転送を容易にするために音声をmp3やWMAなどの形式に圧縮することで、音声データの持つ情報を小さくして保存しているからです。ただし、実はこの圧縮によって音声データが劣化してしまい、結果として重要な騒音音声が削除されてしまうことがあります。
WAVファイルで騒音を録音・保存した音声ファイルとMP3(64kbps)で保存したファイルの周波数別の音圧を比較したものが下記ですが、波形が大きく異なることが見て取れます。これはデータ量を減らすために「人間の耳に聞こえにくい成分」については圧縮・カットしているためです。その範囲は高周波数の音域、低周波数の音域の両方に及びますが、特に高周波数の音域で録音された音のカットが顕著です。
つまり、一般的なボイスレコーダーでは仮に騒音が発生しており、これをマイクが拾っていても保存時に圧縮されてカットされてしまい、結果として録音を期待する音が記録できない可能性があるということです。

リニアPCMは原音をそのまま高い再現性で録音できる

上記のように一般のボイスレコーダーでは騒音を録音したデータの保存時に劣化しますが、一方で保存時に圧縮を行わない「リニアPCM」という音声データの録音形式があります。リニアPCMはまったく圧縮しない形で録音を行うため、原音に忠実に録音できる形式です。さらに多くのリニアPCMレコーダーはボイスレコーダーと比較して高いマイク性能を有するため、音割れがおきにくいなどの特徴があります。
一般的にリニアPCMレコーダーは音楽演奏や自然界の環境音の録音や低音から高音まで細かで微細な音を録音したい場合に使用されます。もちろんPCMレコーダーを使用してもすべての音が録音できるわけではありませんが、できるだけ微細な騒音まで捉え、録音記録を行う場合にはボイスレコーダーではなく、PCMレコーダーを使用するべきです。

当社ではリニアPCMレコーダーもご用意しております

一般的に音圧データを記録する騒音計には録音する機能はありませんが、音声データも記録に残したい場合は、リニアPCMレコーダーのレンタルをご検討ください。リニアPCMレコーダーは比較的高額で、且つ一般的な家電量販店で取扱いが少ない上、どれを選択すれば良いかわからない、というお客様も少なくありませんが、当社では限りなく原音に近い音声を長時間録音可能なリニアPCMレコーダーを比較的安価にご利用いただけるサービスをご用意しております。

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