騒音の距離による減衰
一般的に音の発生源から距離が離れるほど、音は小さく聞こえます。体感的に多くの人は「音が距離によって減衰する」ということを知っています。ではどうして音は離れるほど小さくなるのでしょうか。
音の減衰を知るために―音源毎の特徴について
音の減衰について詳しく知るためには音を発するもの、つまり音源の種類について知ることが必要です。まず、音源には大きく分けて3つの種類があります。それぞれ点音源、線音源、面音源といい、それぞれに音の伝え方や減衰の仕方が異なります。ほとんどの音の発生源は点音源とみることが出来ます(離れてみたときに小さな点として見られるような音源の場合)。音は振動の伝達ですが、点音源から発生した音は球状に広がっていきます。例えばゴム風船に空気を入れていくと、初めは厚みがあった風船が大きく広がるにつれて薄くなっていき、薄くなりすぎると何時かは破裂してしまいます。音が遠くに行くほど小さくなるのも風船が薄くなるのと同様に面積当たりの圧力あるいは音の密度(風船でいえば厚さ)が小さくなることによるものです。また、線音源(直線的に発せられる音、例えば電車や高速道路の車線等)については点音源と比べると広がり方が少なく、そのため距離当たりの減衰量も少なくなります。面音源(面状に発せられる音、例えば工場の壁等)については理論上、ある程度の距離(面音源の長辺長さの概ね1/3より近い距離)であれば減衰がありません。
では距離によってどの程度音は小さくなるでしょうか。
点音源において、球体の面積は4πr^2(r:半径、つまり音源からの距離)で求めることが出来ます。これを音圧の定義に代入すると音の減衰量は
10log10((基準の距離)^2/(対象の距離)^2)
で求めることができ、つまり点音源においては距離が2倍になれば6dB減衰する事となります。下記のグラフは音源からの距離と減衰量の関係を示したものです。線音源では点音源と比較すると減衰率は低く、距離2倍で3dbの減衰となっています。
なお、上記演算については下記ページでさらに詳しく解説しておりますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。
関連コンテンツ:騒音の距離減衰のエクセルによる計算方法