振動の心身への悪影響(健康被害)

そもそも振動とは何か

騒音とは「空気」を伝わって伝播する波のことをいいますが、振動は「固体」を伝わる波のことを言います。音と振動は互いに密接にかかわりあっており、固体が振動すると、音が発生しますが、一方で音が固体に接触すると固体は振動します。

振動被害は公害のひとつ

公害とは「事業活動やその他のひとの活動によって、相当範囲にわたり人の健康や生活環境に被害が発生すること」であり、「振動公害」は典型的な七つの公害の中のひとつとされています。つまり、振動は場合によっては人間の健康や生活環境に被害を発生させるということです。

振動はさまざまな悪影響を生ずる

世の中は振動にあふれており、まったく振動の無い世界に生きることは不可能です。一方で、大きな振動や不適切な振動は、平穏な生活を脅かすものであり、これは発生させるべきではありませんし、規制されるべきです。振動によって引き起こされる被害には下記のようなものがあります。
(1) 心身への影響,
(2) 精密な作業の妨害
(3) 壁面の亀裂など物的損失
(4) 戸,障子などのがたがたいう音の発生

振動の健康被害、心身への悪影響は多岐に渡る

振動による、人への悪影響は下記のように大きく3つに分けることができます。ただし、これらの三つは互いに独立ではなく、密接にかかわっており、たとえば、「身体が影響を受ける⇒心理的なストレスが発生⇒睡眠障害に陥る」といったプロセスが考えられます。
1.直接的な心身への影響(生理的な影響)
2.睡眠への影響
3.心への影響

振動の直接的な心身への影響(生理的な影響)

生理的な影響は比較的大きな振動にさらされた場合に発生し、なかでも血圧上昇や心拍数増加、体温上昇などについては、90db以上の振動にさらされた際に発生するといわれています。そのほか振動の悪影響は多岐にわたり下記のような影響が考えられます。

振動の体への悪影響

損傷 脳、肺、心臓、消化管、肝臓、腎臓、脊髄、間接など
循環器系 血圧上昇、心拍数増加、心拍出量減少など
呼吸器系 呼吸数増加
代謝 酸素消費量増加、エネルギー代謝率の増加など

振動の睡眠への影響(振動によってどの程度の人が目を覚ましてしまうか)

振動の睡眠への影響は生理的な影響よりも低いレベルで発生します。睡眠深度(どの程度深く眠っているか)別の被験者に振動を加えて、どの程度覚醒するか(起きるか)を実験した結果が下表ですが、あまり深く眠っていない場合は、65db程度の振動によって、多くの人は目を覚ましてしまうということが明らかになっています。

睡眠ステージと覚醒率

睡眠ステージ

ステージの定義

振動レベルと覚醒率

1度
入眠期
α波50%以下、低振幅の種々の周波数の波が混在/瘤波 60dbで0%の人が覚醒(起きる)
65dbで71%
69db以上で100%
2度
軽睡眠期
低振幅不規則θ~δ波、
高振幅徐波なし
60dbで0%
65dbで4%
69dbで24%
74dbで74%
79dbで100%
3度
中等度睡眠期
4度
深睡眠期
3度:2Hz以下、75μV以上の徐波20~50%
4度:同上50%以上
74db以下で0%
79db以上で50%以下
レム睡眠 深度1と同様だが、瘤波なし 深度2度と3度の中間程度の影響

振動の心理的影響

心理的影響は、仮に睡眠障害や直接的な身体への影響が無くとも、「振動が気になる」「振動が不快である」といった、生活者が振動を感じることによるものです。さまざまな社会実験によると、生活者が振動を「よく感じる」という訴え率が50%になるのは、振動レベルで70dbを超えたあたりであるといわれています。しかしこの閾値は年齢や地域、性別、発生源との関係性などさまざまなファクターによって変化するので、注意が必要です。

また、自治体の調査によって得られた苦情件数と振動レベルとの関係(下記グラフ)によれば、50db未満での苦情も少なくなく、振動レベルが低いものでも心理的な影響が小さくないことがあることに留意が必要です。これに対し特定建築作業に関する規制基準値は75dbとなっており、苦情件数のグラフと対比すると比較的ゆるめの規制基準値に見えます。

振動の基準や規制値については>>こちらのページもご覧ください

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