マンションリビングおよび廊下における騒音の測定と受忍限度との比較分析
1.報告概要
○○様のご依頼により騒音計による測定が行われ、測定された騒音値の解析を行なった。
2.測定条件
測定日時
1.平成2○年○月10日16:09:25から17:17:25まで
2.平成2○年○月10日21:59:34から23:00:00まで
3.平成2○年○月10日23:00:00から23:15:39まで
測定場所
○○○ ○○マンション○号室リビング及び廊下
3.測定機器と設定
・普通騒音計 NL-42
・周波数重み特性:A特性
・時間重み特性:FAST
・サンプリングレート:1sec
4.測定結果
以下に測定された騒音値の経時変化をグラフに示す。また、測定された各期間における音圧最大値と等価騒音レベルを示す。なお、測定者からの報告より測定場所は第一種区域にあたるとされ、この場合の騒音規制法における規制基準値は下記のとおりである。
・午前8:00か午後6:00まで 50 dB
・午前6:00から午前8:00まで及び午後6:00から午後11:00まで 45 dB
・午後11:00から午前6:00まで 40 dB
4-1.○月10日における測定結果
(16:09:25から17:17:25まで)
図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間
・この期間の音圧最大値は16:34:26に測定された66.6 dBであった。
・この期間における音圧最大値は規制基準値を超過している。
・この期間の等価騒音レベルは47.2 dBであった。
・この期間における等価騒音レベルは規制基準値を超過していない。
4-2.○月10日における測定結果
(21:59:34から23:00:00まで)
図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間
・この期間の音圧最大値は22:00:03に測定された72.1 dBであった。
・この期間における音圧最大値は規制基準値を超過している。
・この期間の等価騒音レベルは48.3 dBであった。
・この期間における等価騒音レベルは規制基準値を超過している。
4-3.○月10日における測定結果
(23:00:00から23:15:39まで)
図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間
・この期間の音圧最大値は23:08:58に測定された63.5 dBであった。
・この期間における音圧最大値は規制基準値を超過している。
・この期間の等価騒音レベルは43.0 dBであった。
・この期間における等価騒音レベルは規制基準値を超過している。
4-4.○月10日における報告結果
(7:00:00頃から16:09:25まで)
・この期間の測定結果はデータとして残されてはいないが、測定者より多数の報告が挙げられているためそれを記載する。
・この期間中、各時間帯にて以下の事象が観測されている。
・7:00:00頃~7:30:00頃…上階で走る音、窓ガラスや引き戸を叩きつける音、
ドスドス歩く音(測定場所:4-313号室リビング)
・7:30:00頃~8:00:00頃…上階で走る音、窓ガラスや引き戸を叩きつける音、
ドスドス歩く音(測定場所:4-313号室リビング)
・9:00:00頃~9:30:00頃…上階で走る音、窓ガラスや引き戸を叩きつける音、
ドスドス歩く音(測定場所:4-313号室リビング)
・9:30:00頃~10:00:00頃…上階で走る音、窓ガラスや引き戸を叩きつける音、
ドスドス歩く音(測定場所:4-313号室リビング)
・13:30:00頃~14:00:00頃…上階からの音(測定場所:4-313号室廊下)
・また、この期間中に上記の事象中、窓ガラスや引き戸を叩きつける音が起きた場合の音圧は60dB~70dBであると報告されている。
4-5.○月10日における報告結果
(17:17:25から21:59:34まで)
・この期間の測定結果はデータとして残されてはいないが、測定者より多数の報告が挙げられているためそれを記載する。
・この期間中、各時間帯にて以下の事象が観測されている。
・19:10:00頃~19:40:00頃…上階で走る音、窓ガラスや引き戸を叩きつける音、ドスドス歩く音(測定場所:4-313号室リビング)
・21:00:00頃~21:30:00頃…上階で走る音、ドスドス歩く音(測定場所:4-313号室リビング)
・21:30:00頃~21:54:34頃…上階でドスドス歩く音(測定場所:4-313号室リビング)
・また、この期間中に上記の事象中、窓ガラスや引き戸を叩きつける音が起きた場合の音圧は60dB~70dBであると報告されている。
図.4-1グラフ拡大図
図.4-2グラフ拡大図
図.4-3グラフ拡大図
5.結論
騒音値グラフ及び音圧最大値、等価騒音レベルを第4章に記載したが、測定最大値は全ての期間において基準値を超過していることが明らかになった。
また、等価騒音レベルについても複数の測定期間に基準値を超過している。
一時的、突発的または恒常的に基準値を超える音圧、つまり騒音の発生は抑止されるべきであるため、早急且つ適切な対処が望まれる。
6.受忍限度の根拠
6-1.騒音規制法
●第一種区域の騒音規制法における規制基準値は、
・午前8:00か午後6:00まで 50 dB
・午前6:00から午前8:00まで及び午後6:00から午後11:00まで 45 dB
・午後11:00から午前6:00まで 40 dB
である。