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騒音が100万年分の健康に生きる時間-障害調整生命年 (DALY)-を奪っている

■サマリ
騒音は人々が健康に生きる時間を奪っており、その時間は西ヨーロッパ地域において100万年を超える。西ヨーロッパの人口は約4億人、日本の人口の4倍とすれば、日本においても約25万円の健康に生きる時間に悪影響を与えていると推定される。

  •  騒音にさらされると、聴覚および聴覚以外の健康への影響が生じる可能性があります。聴覚系に悪影響を与えることにより、騒音は難聴や耳鳴りなどの聴覚的影響を引き起こします。騒音はストレス要因にもりなり、特に長時間の暴露後には人の健康に悪影響を及ぼすことが示されています。これらの影響は心理的および生理学的苦痛によるものであるとされています。
  •  西ヨーロッパ諸国で失われた健康的な寿命を定量化した、環境騒音による病気等への悪影響に関するWHOの報告書があります。疾病の負担は、早期死亡により失われた生涯の年数と、疾病または健康状態に罹患している人々のための障害を伴って生活した年数の合計として、障害調整生涯年数(DALY)の単一尺度で計算されます。
  •  DALYとは「早死により失われた期間」と「疾病により障害を余儀なくされた期間」を示していて、1DALYは1年間の健康生活が失われたことを示しています。
    心血管疾患、子供の認知障害、睡眠障害、耳鳴り、および「うるささ」についての環境騒音による疾患の負担について定量化すると、西ヨーロッパ諸国の環境騒音によって失われたDALYは、虚血性心疾患(IHD)で61,000年、子供の認知障害で45,000年、睡眠で903,000年、耳鳴りは22,000年、煩さが654,000年に相当すると推定されています。
  •  これらの結果は、西ヨーロッパの交通関連の環境騒音によって毎年少なくとも100万人の健康な年数の命が失われていることを示しています。主に道路交通騒音に関連する睡眠障害および「うるささ」がこの負担の大部分を構成しています。利用可能な評価では、大気汚染に次いで環境騒音による疾病の負担が2番目に高いとされています