
騒音の証拠録音、ボイスレコーダーでは不十分?PCMレコーダーを選ぶべき理由
はじめに:マンションやアパートの騒音、証拠録音で失敗していませんか?
マンションやアパートでの近隣・騒音トラブルに悩まされ、証拠として音を録音しようとお考えではないでしょうか。その際、安易にスマートフォンのアプリやボイスレコーダー(ICレコーダー)を使ってしまうと、いざという時に証拠として認められない可能性があります。
この記事では、騒音調査の専門会社として、なぜ一般的な録音方法では不十分なのか、そしてなぜ「リニアPCMレコーダー」が騒音の証拠録音に必要なのかを分かりやすく解説します。
このページの目次
こんな騒音に悩んでいませんか?
一口に騒音と言っても、その種類は様々です。ただ、当社へのお問合せの内容を鑑みると、多くの場合は以下のような音が騒音トラブルの原因となりやすいようです。
・生活音: 上の階からの足音、子供が走り回る音、話し声や笑い声、テレビの音など。
・設備音: エアコンの室外機や給湯器の作動音、換気扇の音など。
・低周波音: 人の耳には「音」として聞こえにくいものの、体に不快な圧迫感を与える、振動を伴うような低い音。
・高周波音:非常に高い音で、人の耳には「電子音」や「蚊が飛んでいるような音(モスキート音)」に聞こえる音。
これらの音を正確に録音して再現できるようにすること、つまり、証拠として他者に提示できるようにすることが問題解決の第一歩となり得るため、証拠となる音はできる限り「原音のまま」録音することが望ましくあります。
なぜボイスレコーダーの録音では証拠として弱いのか?
ボイスレコーダーは人の声を明瞭に記録するために音を「圧縮」して保存します(MP3形式など)。この圧縮の過程でデータ量を軽くするために、人の耳に聞こえにくい高音域や低音域のデータがカットされてしまいます。ただ、衝撃音は周波数の低い音であることが多く、電子音などは周波数が高い音であることが多い、といった傾向があります。つまり、証拠をとりたい音がそれらである場合、ボイスレコーダーでは最も重要な騒音の証拠が録音した時点で消えてしまっている可能性があるのです。
証拠能力の高い録音なら「リニアPCMレコーダー」一択の理由
リニアPCMレコーダーは音楽CDと同じ「非圧縮」という方式で録音します。録音した音を加工せず、ありのまま記録するため騒音の証拠録音において非常に有効です。例えば、同じ音をリニアPCMレコーダーとボイスレコーダーのそれぞれで録音し、それぞれのデータを周波数分析・比較すると以下のようになります。
両方の図を比較すると、波形が大きく異なることが見て取れます。これはMP3データではデータ量を減らすために「人間の耳に聞こえにくい音域」を圧縮・カットしているためです。カットされる範囲は高周波数の音域、低周波数の音域の両方に及びますが、特に高周波数の音域で音のカットが顕著です。
つまり、一般的なボイスレコーダーでは仮に騒音が発生しており、これをマイクが拾っていても保存時に圧縮されてカットされてしまい、結果として録音を期待する音が記録できない可能性があるということがわかります。また、同時にリニアPCMレコーダーであれば、音の情報をありのまま全て記録できるため騒音の性質を正確に捉えて原音のままデータとして保存することができるということです。
まとめ:騒音トラブル解決には、目的に合った機材選びが必要
騒音問題を解決するには客観的な証拠を確保することが必要です。また、証拠確保の際には次のように、目的に合った機材で記録を行うことが重要です。
・用途が会議や会話の記録なら:ボイスレコーダー(ICレコーダー)
・より多様な騒音トラブルの証拠確保なら:リニアPCMレコーダー
機材を正しく選ぶことが、解決への確実な一歩となります。
ご自身での騒音記録・調査を検討されている方へ
当社ではご自身で騒音の状況を記録したいというお客様向けに、騒音の録音に適したリニアPCMレコーダーのレンタルサービスを行っております。「どんな機材を使えば良いか分からない」「購入するのは負担が大きい」という方は、ぜひご活用ください。
また、騒音問題の根本的な解決には専門家による客観的なデータ測定と分析が不可欠です。レコーダーのレンタルと合わせて、当社の騒音調査サービスもご検討いただけますと幸いです。(>>お問い合わせはこちらから)