音圧レベル測定及びオクターブバンド分析による、隣戸界壁の遮音等級(Dr値)等の評価
1.報告概要
株式会社○○○○様のご依頼により遮音等級の評価のための測定が行われ、各周波数帯における音圧の解析及び分析を行なった。
2.測定条件
■測定日時
平成社○○○○日(金)
■測定場所
○○○○ハイム
■測定箇所
隣戸界壁
■音源室
○○○○号室 ピアノ室(アップライトピアノ)
■受音室
・共用廊下(外部)
・寝室(内部)
・LDK(内部)
・共用廊下(外部)
3.測定機器と設定
・普通騒音計 NL-22
・周波数重み特性:A特性
・分析周波数範囲:1/3オクターブバンド
・時間重み特性:FAST
・サンプリングレート:10sec
4.測定結果
以下に測定された各周波数帯の音圧における等価騒音レベルと、Dr値との比較をグラフ、及び表にして表した。
4-1.測定結果1
(ピアノ室と共用廊下との室間音圧レベル差)
図.測定結果と遮音等級(Dr値)との比較
表:音圧レベル差詳細
・当日の暗騒音レベルが高く、理論上の補正値を考慮した場合の遮音等級はDr-35となる。
※暗騒音レベルの高さから上記データは正確でない可能性が非常に高い。
4-2.測定結果2
(ピアノ室と寝室との室間音圧レベル差)
図.測定結果と遮音等級(Dr値)との比較
表:音圧レベル差詳細
・当日の暗騒音レベルは高いが、125Hzの周波数帯において暗騒音以上の音圧が計測されているため、信頼度が高いデータといえる。
・理論上の補正値を考慮した場合の遮音等級はDr-55となる。
4-3.測定結果3
(ピアノ室とLDKとの室間音圧レベル差)
図.測定結果と遮音等級(Dr値)との比較
表:音圧レベル差詳細(dB)
・当日の暗騒音レベルは高いが、125Hzの周波数帯において暗騒音以上の音圧が計測されているため、信頼度が高いデータといえる。
・理論上の補正値を考慮した場合の遮音等級はDr-55となる。
4-4.測定結果4
(ピアノ室とU共用廊下との室間音圧レベル差)
図.測定結果と遮音等級(Dr値)との比較
表:音圧レベル差詳細(dB)
・当日の暗騒音レベルが高く、理論上の補正値を考慮した場合の遮音等級はDr-35となる。
※暗騒音レベルの高さから上記データは正確でない可能性が非常に高い。
5.結論
上記結果よりわかる通り、測定が行われた場所では暗騒音レベルが非常に高く、結果4-1、4-4は比較的信頼度が低い測定結果といえる。 また、結果4-2、4-3で特に顕著であるが、125Hzの周波数帯において暗騒音レベルを上回る数値が計測されていることから、結果4-2、4-3はある程度の信頼度があるデータと考えられる。尚、これらの結果の125Hzの周波数における音圧のみに着目した場合、Dr値は60を超えるものとなり、遮音等級の観点から考察した場合、測定箇所であった隣戸界壁は非常に高い遮音性能を有していることが示唆される。