騒音問題で法的に有利な立場を獲得する(法的に主張を通す)ためのポイント(法律要件)

騒音問題を、法的な場で議論・解決する場合、通常目指すゴールは①損害賠償請求による金銭的な解決あるいは②差止請求による騒音の除去の二つに分けられます。騒音の除去については通常完全な解決をすることは難しく、騒音発生時間の変更や制限、防音壁を設置する、防振ゴムを設置すると言った防音対策が行われることもあります。

相手方に賠償請求をしたり差し止め請求をしたりする場合、被害者側は法的な要件を満たす、つまり法的に自分の意見が認められるべきだという主張し、またこれを裏付ける証明をする必要があります(厳密に言えば法律要件とは一定の法律効果を生じさせるため要求される事実があることを言います)。

では法的にこちら(被害者)側の主張が認められるためには具体的には、どのような要件ポイントが必要となるのでしょうか。一言で言えば、受忍限度を超えることが要件となりますが、受忍限度については下記のようなポイントを総合的考察によって判断するとされています。

1.侵害行為の対応と程度

一言で言えばどのような騒音が発生しているかがポイントです。騒音の具体的な内容、音圧レベルの大きさ、騒音の性質、発生頻度や発生時間帯、継続時間や継続期間といった事項によるものです。 合わせて対象となる場所での環境基準や騒音の規制値などが参考になります。

2.被侵害利益の性質と内容

一言で言えばどのような被害が発生しているのかがポイントです。例えば被害者が難聴を発症したり、ノイローゼやうつ状態になるといった身体に関わるもの、振動であれば「がたつき」によって家が傾いたり物が落ちたり設備が故障したりといった物的な被害もありえます。またこのような被害が発生したことを裏付ける証拠が重要となり、例えば身体に関する不調であれば医者の診断書があることが望ましいとされています。

3.侵害行為の公共性の内容と程度

発生している騒音の内容が私的なものなのか公共性の高いものなのかがポイントとなります。例えば私生活における人の話し声や音楽を聴く音については私的な生活音ですが、国道を補修する工事であればこれは公共性の高い目的のために行われる、作業に伴う騒音となります。公共性の高い作業については公共の福祉のために行われる作業であり私的な音と比べるとやむを得ない事情があると判断されます。

4.被害の防止又は軽減のため加害者がに講じた措置の内容と程度

被害者から苦情があったにもかかわらず発生源が真摯に対応せず、騒音の発生について容易に防止できる措置があるにもかかわらず実施しないような場合や、騒音の発生自体への配慮をしていない場合は、被害者側に有利なポイントとなります。つまり苦情をいったが対応しなかったという事実がポイントとなります。

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