匿名で苦情を伝える。騒音主(騒音発生源)に手紙で警告することの利点と具体的な書き方
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直接口頭での注意はリスクがある
騒音トラブルは、住民にとって大きな悩みでありストレスです。実際に音の被害に悩んだ際は直接口頭で注意する方法が手っ取り早いのですが、感情的になれば口論に発展する可能性がありますし、逆恨みによる嫌がらせ行為が始まる可能性も否定できません。また、近年では騒音トラブルを発端とした事件の報道を目にする機会も多くなっています。騒音トラブルについて管理会社などが適切に対応してくれれば問題ないのですが、あまり良い対応が望めず、解決しない場合には匿名で手紙を用いて警告するという手段があります。このページでは騒音主(騒音発生源)とのコミュニケーション手段としての「手紙での警告」について説明いたします。
手紙での警告のメリット①匿名性があること
手紙での警告の第一のメリット(利点)は、匿名性があることです。手紙に差出人の名前を書かなければ誰が出したか分かりませんし、同時に音に関する悩みを訴えかけることができます。騒音主が一般的な感性を持つ人間であれば、なにがしかの対策を行うはずです。また、警告された側は誰に手紙を出されたのか分からないことから不気味さ・気持ち悪さを感じるはずで、警告文を何度も受け取りたくないことから騒音を出さないよう対応することになるはずです。
通常手紙を出すからには差出人の名前を書くのが筋ではないかと思われるかもしれませんが、警告を発するような手紙に名前を書いてしまうと匿名性というメリットが消えてしまいます。更に逆恨みによる新たなトラブルの元にもなりかねませんので、差出人の名前は書かない方が無難です。
手紙での警告のメリット②感情的にならず、落ち着いて伝えることができる
次に、落ち着いた文面で論理的に警告できることも手紙のメリット(利点)です。面と向かって話す場合、焦ってしまって思っていたことが論理立てて伝えられなかったり、感情的になって相手を傷つけたり、心象を悪くしてしまう可能性がありますし、もしかしたら暴力的な行為に出られるかもしれない、といった直接的なリスクもあります。つまり、手紙にはこれらのリスクを回避できるというメリットがあるということです。
警告文を書く方の中には赤色の字や激しい表現などを使って感情的に警告する方もいるでしょうが、敵意をむき出しにした過激な警告文は相手の感情を良くすることはありませんので、反発して更に大きな音を出される可能性があります。また、過激な表現は「脅迫」や「強要」ととられる場合もありますので、万一、ご自身がそういった表現の警告文を出したと発覚した場合には罪に問われる可能性もあります。つまり、警告文を過剰に感情的に、過激に書く効果は大きいと言えず、むしろ逆効果と言えます。もちろん、落ち着いた、論理に基づいた文面であれば必ず相手が分かってくれるとは限りません。ただ、必要以上に相手の感情を逆なでしない配慮は必要ですし、ご自身が未来に罪に問われる可能性をなくすためにも過激な表現は極力避けるべきです。
手紙は出来るだけ、簡潔に具体的に記述しよう
手紙での警告文の書き方ですが、なるべく自筆ではなくパソコンやタブレット※によって文を作成・印刷し、最初は音に迷惑していることをダイレクトに伝えましょう。例えば、「○○様、近隣に住む者ですが、深夜のギターの音で眠れず迷惑しています。近隣住民への配慮をお願いします」という具合です。いつ、どのような音でどの程度迷惑しているか伝えることで、改善を促します。「音が迷惑」などの漠然とした表現ですと、相手も足音なのか話し声なのか分からないので注意が必要です。もちろん一回の警告で音が止めば一件落着ですが、必ずしもスムーズに解決できるとは限りません。一度警告したにも関わらず音が止まない場合は、もう一度手紙を書く必要がありますが、その際も過激な、または感情的な表現を控え、「相手にお願いする体で」簡潔な文章を作成・投函しましょう。
※大きくは、自身が過剰に感情的にならず理路整然とした文章を書くため、小さくは「脅迫」や「強要」ととられた場合のリスクを減らすためです。
改善しないなら「複数回警告しても改善しない事実」を第三者に伝え協力を仰ぐ
複数回の警告で騒音が改善されない場合は警察or管理会社等への報告の可能性を示唆することも方法の一つかもしれません。例えば、「○○様、先日まで何度も注意喚起差し上げたにも関わらずギターによる近隣への騒音は改善されていません。明日以降もギターの騒音が止まない場合は、不本意ではありますが私の力ではどうすることもできないので警察or管理会社等へ通告させていただきます」という具合です。
騒音主(騒音発生源)にとって警察や管理会社などの外部の人間が絡むことは気持ちの良いことではありませんので、精神的なストレスやプレッシャーになると考えられますが、当記事を読んでいる方は背に腹は代えられない状況であるはずです。上記の警告でも音が止まない場合は本当に警察や管理会社へ通告し、その旨を騒音主にも伝えましょう。伝える文面は「○○様、何度も注意をしましたが、改善されませんでしたので管理者へ通告させていただきました。今後騒音が止むことがなければ警察や管理会社から何らかの連絡があると思いますので、対応をお願いします」という内容です。この際、自分は手紙によって何度も警告を行ったが、改善しなかった事実を警察や管理会社に伝えましょう。伝える際にはリスクを回避するために「絶対に匿名ということにしてほしい」「自分自身が苦情を言っていることは相手にばれないようにしてほしい」という旨を伝えるのを忘れないようにしてください。
ここまでやれば、危機感をもった相手が改善するか、音の改善がなされない場合でも、管理会社や警察がなにがしかの対応をしてくれるはずです。
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手紙の差出人がばれて仕返しされるリスクには十分注意する
一番避けなければいけないのは手紙の差出人が騒音主(騒音発生源)に発覚されることなので、手紙の出し方にも細心の注意を払わなければいけません。例えば、マンションの集合ポストに入れた時も、監視カメラがあれば差出人の姿が映って分かってしまいますし、直接ドアポストに入れる際も音に気付いた住民が慌ててドアを開ければ鉢合わせしてしまいます。これらを防ぐ為に監視カメラの有無や、ドアポストに入れる時間帯に注意しなければいけません。
警告文の具体的な文例集
保育園(幼稚園)の退園時の子どもの騒ぎ声について
保護者の皆様へ
降園時、「子どもの声がうるさい。」と近隣の方から苦情がありました。
外で大声を出さない様にして、早めの降園を心掛けて頂けます様にご協力を宜しくお願い致します。
マンション内で居住者が出している騒音について(管理会社からの警告)
警告
住宅賃貸借契約書 禁止事項
先般よりマンション内に多数掲示をしてまいりました、騒音問題について、未だに週末の深夜に騒音を出されている方がおられます。深夜に帰宅し大きな声での会話、喧嘩等、掃除機、洗濯等の音も立派な「騒音」になります。
住宅賃貸借契約書では共同生活の秩序を乱す行為、近隣に迷惑をかける行為、特に、早朝(午前7時以前)深夜(午後10時以降)の静寂を破る行為は絶対に禁止です。
ルールを守れない場合、住宅賃貸借契約を解除します。
マンション内で居住者が出している騒音について(個人からの警告)
叫ぶ・怒鳴る・騒がしい物音+犬の吠え続ける声しかも夜10時頃+約20分からの長時間喧嘩貴殿宅は入居以来度重なる騒動(喧嘩)に、近隣住民は我慢の限度です。
もう就寝している人、子供、赤ちゃん、病人、ふつうの大人にも受忍限度です。近所の方は恐怖心で、またいつ始まるか?戦々恐々としている現状です。
過去 貴殿の家庭内騒動に耐えかねて、引っ越して行かれた方がいます。管理組合の理事会としても、過去から色々と注意はしているようですが、貴殿宅の近隣に大迷惑をかけないという、意識の改善がみえません!!
住民からの投書もあり、もう見過ごしはできません!!次回騒動を引き起こすようでしたら
①理事会へ出席を頂き、事情説明頂き、「誓約書提出」などのきびしく対処します。
それでも、懲りずに騒動を引き起こすようでしたら
②臨時総会を開催して、「住民の総意」をまとめてペナルティを科します。
住民から、どんな強硬意見など出るかわかりませんよ!!
この文面を家族全員が必ず見て頂き、是非、反省してもらい、近隣に迷惑を掛けないことを、第一考えて生活してください。以上
マンション内で居住者が出している騒音について(管理会社からの注意喚起投書)
早朝・深夜の騒音について
早朝6時前から7時頃にかけての時間帯及び夜間に、重い物を転がしたり、床に落としたり様な音がほぼ毎日の様に聞こえてきて大変迷惑しているとのご連絡を多数頂いております。再三、ご注意喚起の通知文を投函させて頂いておりますが、改善がみられない状況です。
お心当りがおありの方は即刻上記の様な音につながる行為はお止め頂けますようよろしくお願いいたします。
マンション内で居住者が出している騒音について(管理会社からの通告書)
○○様が賃借されている埼玉県○○市○○○○ 所在○○○○○○○号室に関して、下記内容の騒音苦情が複数の世帯から寄せられています。
(弊社からの注意回数)
平成23年○月○日(夜間の大声等騒ぐ音で○○様へ電話連絡)
平成23年○月○日(上記の騒音が収まらないためご実家へ連絡)
平成23年○月○日(夜間の大声、運動をしているような音)
苦情を言われた方からは「睡眠を妨げられ仕事や勉学に支障をきたしている」や、「引越を考えているので費用を負担して欲しい」等強い抗議があります。
弊社としては、これ以上苦情が発生した場合、やむを得ず賃貸借契約書第18条に基づき賃貸借契約の解除を致します。
生活上やむを得ない排水音や通常の歩行音と違い、友人を呼んでの夜間の話し声は特に配慮が必要です。
配慮の程、厳にお願い申し上げます。
尚、当通告書に異議がある場合は、下記担当まで連絡を願います。
マンション内で居住者が出している騒音について(管理会社からの注意喚起投書)
他の入居者の方々の迷惑になる騒音、大声は厳禁です。
当マンション内で深夜・早朝を問わずに騒音、大声を出す人がいるようです。他の入居者の方々の多大な迷惑となっていますので、絶対におやめください。
もし、そのような共同生活の秩序を乱す行為を続けた場合は、契約解除となります。
また、今後もそのような行為を聞いた方は、管理会社である○○にご連絡ください。
2016年1月19日
マンション内で居住者が出している騒音について(管理会社からの防音についての協力要請投書)
防音へのご協力について(お願い)
平素は、当マンションの管理にご協力いただき誠にありがとうございます。
さて、標記の件、当マンションのご入居者および近隣の方々から夜間の騒音に関して苦情が出ております。
深夜の洗濯機、テレビや音楽などの音は騒音になり、周りの人に大変な迷惑をかけますので、十分ご注意ください。
身に覚えのある方はご注意願います!
共同生活でありますので、お互いがマナーを守り、住みやすい環境を保っていただけますようご協力をお願いいたします。
ご協力をお願いいたします。
マンション内で居住者が出している騒音について(管理会社からの防音についての協力要請投書)
マンション内での騒音について
マンションは共同住宅ですので、お互い騒音・振動についてのマナーを守り、住み良い環境を作りましょう!!
また早朝・深夜においては、特にご配慮くださいます様、御協力をお願い致します。