防音工事業者の損害賠償請求を主とする控訴が認められなかった事件

判決

・控訴を棄却
・控訴費用は控訴人の負担とする

事実

・控訴人は被控訴人宅の防音工事を請け負った業者。
・被控訴人は防音工事を依頼していた。
※原判決において、債務不履行を理由に控訴人の損害賠償請求が棄却されている。

騒音調査の結果

騒音調査は行われていない。

控訴人の主張

・工事の請負契約の中に、契約者は契約を解除した場合の損害を賠償する規定がある。
・原判決の取り消しを求める。
・被控訴人は、材料費、人件費などの損害金として70万6千円を支払うべきである。
・訴訟費用は第1、2審ともに被控訴人の負担とすべきである。

被控訴人の主張

・控訴人との契約において、解除できる点は認めるが損害の賠償は認めない。
・契約締結前には、計20cm壁を厚くする工事で目的とする防音は可能と言われた。
・契約締結後に、壁の厚さを計28cm増す必要があることを示唆する連絡を受けた。
・上記の説明内容の違いから不安になり契約解除を意思表示したまでであり、契約を解除した訳ではないので損害賠償責任はないはずである。
・損害金の支払は認められない。

裁判所の判断

・被控訴人が契約解除を意思表示したまでであることは認められる。
・控訴人の供述では被控訴人が契約に納得していたとあるが、契約締結後の被控訴人の行動から、その供述を信用できない。
・当初説明された工事内容で被控訴人の目的を果たせると仮定した場合は、契約を解除した場合の損害賠償を認めるべきである。
・ただし、控訴人は当初の防音工事で被控訴人の目的を果たせることを説明していない。
・また、被控訴人に無責任な発言を繰り返していることが認められる。
・控訴人から、他の方法で被控訴人の目的を達成させるはずであった供述はあるが、その旨を被控訴人に対して説明していない。
・被控訴人には説明義務の違反があり、債務不履行があったといえる。
・以上より控訴人の請求は理由がないため、原判決は相当であり、本件控訴は棄却する。

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