ミシンによる上階からの騒音に対する差止請求が認められなかった事件
判決
・原告の請求を棄却
・訴訟費用は全て原告の負担
事実
・原告はマンションに居住。
・被告は原告階下に住んでいた。
原告の主張
・夜間に被告の居宅のミシンによる騒音で安眠妨害され、不快と焦燥を感じる。
・夜から朝にかけ安眠を妨害される。
・被告はミシンを2台所有していて、その内の足踏み式の騒音は60dBを超える。
・モーター式のミシンからは振動音が聞こえる。
・被告は自身の行動を知られないようにするため電気を消して作業をしている。
・不法行為による300万円の慰謝料の支払いと行為の差止を求める。
被告の主張
・マンションは私物ではあるが人に貸していたため自分ではほとんど使ったことがない。
・原告が主張するような騒音を発生させたことはない。
・ミシンの使用は1年に10回あるかないかであり、深夜に稼働させたこともない。
・下階からの苦情を受けたこともない。
・原告が主張する騒音が何かは推測もできない。
裁判所の判断
・ミシンによる作業の音量が60dBを超えると認めるに足る証拠はない。
・被告のマンション賃貸の状況から騒音の発生源は被告でないといえる。
・借主が被告と同じ機械、器具を使用して同時間帯に作業を行うことも考えがたい。
・借主が被告と同じ勤務先の社員とは考えにくい。
・原告を悩ませる騒音の発生源が被告と認めることはできない。
・被告が原告に対して騒音を侵入させていると認めることはできない。