建築設計研究機関様_住宅防音設備の音圧減衰効果性能評価実験における騒音測定と分析

1.報告概要

○○○○研究所様のご依頼により騒音発生による実験が行われ、測定値の解析を行った。

2.測定条件

測定日時
平成○○○○日10:55:25から12:06:00
測定場所
神奈川県○○○○
・○階:通常の部屋
・○階:防音室
・○階:通常の部屋
・○階:防音室
・○階

3.測定機器と設定

・普通騒音計
周波数重み特性:A特性
時間重み特性:FAST
サンプリングレート:1sec

4.測定結果

以下に測定された全期間における騒音値の経時変化をグラフに示す。また、測定された各期間における等価騒音レベルを示す。尚、測定場所は用途地域の指定上、近隣商業地域であることから、川崎市の条例上、環境基本法に基づく環境基準値(以下基準値)は、
・昼間6:00から22:00まで 65dB
・夜間22:00から翌6:00まで 60dB
である。

4-1.6階通常の部屋と7階の測定結果
(10:55:25から11:20:17まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
赤:6階測定結果
青:7階測定結果
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の6階における等価騒音レベルは46.2dBであった。
・この期間の7階における等価騒音レベルは85.3dBであった。
・この期間の7階における等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過しているが、6階における等価騒音レベルは基準値を超過していない。
・グラフ中、6階(赤)最後半部分の音圧の上昇は調査員による測定器の移動によるものである。

4-2.6階防音室と7階の測定結果
(11:24:00から11:36:00まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
赤:6階測定結果
青:7階測定結果
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の6階における等価騒音レベルは29.9dBであった。
・この期間の7階における等価騒音レベルは91.7dBであった。
・この期間の7階における等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過しているが、6階における等価騒音レベルは基準値を超過していない。

4-3.6階F通常の部屋と7階の測定結果
(11:46:00から11:56:00まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
赤:6階測定結果
青:7階測定結果
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の6階における等価騒音レベルは40.1dBであった。
・この期間の7階における等価騒音レベルは102.8dBであった。
・この期間の7階における等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過しているが、6階における等価騒音レベルは基準値を超過していない。

4-4.6階F防音室と7階の測定結果
(11:58:00から12:06:00まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
赤:6階測定結果
青:7階測定結果
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の6階における等価騒音レベルは42.3dBであった。
・この期間の7階における等価騒音レベルは96.8dBであった。
・この期間の7階における等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過しているが、6階における等価騒音レベルは基準値を超過していない。
・グラフ中、6階(赤)最前半部分及び最後半部分の音圧の上昇は調査員による測定器の移動によるものである。

4-5.各実験における6階通常の部屋と7階の測定結果の比較

表:各実験での6階と7階の音圧比較
注)
測定結果:等価騒音レベル

・上表は各実験における測定結果の比較となる。
・実験「室内を歩き回る」の際に6階でも比較的高い音圧が記録されていることがわかる。

4-6.各実験における6階H防音室と7階の測定結果の比較

表:各実験での6階と7階の音圧比較
注)
測定結果:等価騒音レベル

・上表は各実験における測定結果の比較となる。
・上記結果では特徴的な音圧の差は見られない。

4-7.各実験における6階F通常の部屋と7階の測定結果の比較

表:各実験での6階と7階の音圧比較
注)
測定結果:等価騒音レベル

・上表は各実験における測定結果の比較となる。
・実験「バルコニーで飛び跳ねる」の際に6階でも比較的高い音圧が記録されていることがわかる。

4-8.各実験における6階F防音室と7階の測定結果の比較

表:各実験での6階と7階の音圧比較
注)
測定結果:等価騒音レベル

・上表は各実験における測定結果の比較となる。
・実験「バルコニーで飛び跳ねる」の際に6階でも比較的高い音圧が記録されていることがわかる。

5.結論

上記結果より、測定場所における全ての期間期間において、実験が行われ た7階では等価騒音レベルが基準値を超えていても6階では基準値を超えていないことが明らかになった。
尚、実験の内容中、結果4-5において「室内で歩き回る」実験の際には6階でも高い音圧が測定されている。また、結果4-7及び4-8においては「バルコニーで飛び跳ねる」実験の際に比較的高い音圧が記録されている。
上記から当該測定場所の床は、特に衝撃音に対する音圧減衰効果が低い可
能性が示唆される。ただし、今回の測定では1/3オクターブバンド分析を用いた測定が行われていないため遮音性能の評価は行われておらず、結果4-8「バルコニーで飛び跳ねる」実験の測定結果では6階測定結果44.1dBに対して7階測定結果43.7dBと6階が7階を上回っていることからこの結果に関してのみ言えば外部の工事による騒音の可能性も高く、結果4-8「バルコニーで飛び跳ねる」実験の測定結果に対する信ぴょう性が高いとは考えにくい。

6.規制基準値の根拠

6-1.環境基本法・環境基準
騒音に係る環境基準 (H10.9.30環境庁告示第64号、H12.3.31東京都告示
第420号)
6-2.判例

東京地裁  平成6.5.9 判例時報1528号116 .
東京地裁 昭和 63.4.25 判例時報 1284号-49

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