分譲マンションにおける階下からの衝撃音などの音圧レベル測定と騒音の解析

1.報告概要

横浜市○○○○のマンション居住者の依頼により騒音計において測定した騒音値を解析した。本解析によって、測定地点において環境基本法における騒音に関する環境基準を大きく超える騒音、すなわち受忍限度を超える騒音が発生していたことが明らかになった。
各種法令によって受忍限度を超える騒音の発生は規制されており、騒音発生の抑止が望まれる。

2.測定条件

2-1.測定場所
横浜市○○○○
詳細は依頼者プライバシー保護のため未公開。

2-2.測定位置
室内床から120cmの位置

2-3.測定日時
○○○○日22:38~○○○○日07:00

3.測定機器と設定

・普通騒音計 
周波数重み特性:A特性
時間重み特性:FAST
サンプリングレート:1sec

4.測定結果

以下に、測定が行われた各期間における、瞬時値(音圧レベル)のグラフ、
等価騒音レベル、基準値を超える期間の総数を示す。グラフは、その全てに
おいて縦軸はdB、横軸は時間を表している。
尚、横浜市○○○○は、横浜市の用途地域の区分上、準工業地域に属する。したがって横浜市の環境基準より、測定場所における午後11時から午前6時までの期間の騒音に係る環境基準値は50dB以下となる。

4-1.○○○○日の測定結果
(○○○○日23:00:00から○○○○日04:00:00まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この期間の瞬時値最大値は00:03:35に発生した53.6dBであった。
・この期間において基準値を超えた期間は2期間存在した。
・この期間の等価騒音レベルは35.4dBであった。
・この期間において、階下から壁を蹴るような衝撃音の発生が、断続的に確認されている。
・また、23:41:00~23:43:00において救急車の音が確認されているため、その前後1分を含めた23:40:00~23:44:00のデータは除外している。

4-2.○○○○日の測定結果
(○○○○日23:00:00から○○○○日04:00:00まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この期間の瞬時値最大値は02:31:40に発生した52.0dBであった。
・この期間において基準値を超えた期間は5期間存在した。
・この期間の等価騒音レベルは35.6dBであった。
・この期間において、階下から壁を蹴るような衝撃音の発生が、断続的に確認されている。


図.4-1グラフ拡大図


図.4-2グラフ拡大図

5.結論

上記の結果より、各測定期間における等価騒音レベルは基準値を超えては
いないが、瞬時値において基準値を上回る期間が複数存在した。
これらの結果から、各測定期間において、瞬間的かつ突発的な騒音の発生
が認められる。受忍限度を超える騒音は規制の対象であるため、早急な対処
が望まれる。

6.受忍限度の根拠

6-1.環境基本法・環境基準
騒音に係る環境基準 (H10.9.30環境庁告示第64号、H12.3.31東京都告示
第420号)

6-2.判例
東京地裁  平成6.5.9 判例時報1527号116 .
東京地裁 昭和 63.4.25 判例時報 1274号-49

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