金属プレス工場の騒音被害で損害賠償請求が認められた事件

判決

・被告は原告に対して50万円、及び支払い済みまで年五分の割合を支払うこと
・被告は原告の訴訟費用の1/20を負担する事
・被告は補助参加人の訴訟費用の1/20を負担する事

事実

・原告は被告工場近隣に住む精密治工具の委託加工場(第二種住居専用地域)
・補助参加人は詳細不明だが市の関係者で原告側として参加している
・被告は金属のプレス及び切断作業の工場

騒音調査の結果

・原告調査
騒音計で騒音値を測定したところ64~73ホンの騒音が発生していることが分かった。
・被告調査
工場の操業停止時の騒音は60~65ホンであった。
※1.当時、第二種住居専用地域の基準値は55ホン※2
※2.ホン:当時一般に使用されていた音圧の単位。1000Hzの純音に対して音圧レベルのデシベル値に等しい。

原告の主張

・建築基準法では第二種住居専用地域は原動機を使用する金属工場は建築不可である。
・被告は用途を偽り工場の操業を行なっているため違法である。
・被告工場の騒音により営業生活を侵害された。
・別の住居への転居を余儀なくされた。
・測定により被告工場では64~73ホンの騒音が発生していることが分かった。
・低周波も発生させている。
・被告の発生させている騒音は受忍限度を超える。
・工場の使用の差止を求める。
・損害賠償として計1000万円、及び支払済みまで年五分の割合で支払いを求める。

補助参加人の主張

・被告に対して勧告や命令を繰り返した。
・被告に対して再三にわたり行政指導を行なってきた。

被告の主張

・金属の加工工場を操業していることは認める。
・近隣住民等からの苦情は全く出ていない。
・規制基準を若干上回る65ホン前後の数値が計測されたことは認める。
・ただし、その騒音には原告建物における機械作業による騒音も含まれる。
・騒音には被告建物西側の道路の車両の通行によるものも含まれる。
・工場の操業停止時の騒音は60~65ホンであった。
・原告が受忍限度を超える騒音状況にあるとはいえない。
・原告の主張に対して遮音のため様々な処置を行なった。
・その他の原告の主張については全て争う。
・操業の差止は認められない。
・損害賠償の請求は認められない。

裁判所の判断

・被告の調査結果は専門事業者による書面ではなく、直ちに採用することはできない。
・原告の調査結果は考慮される。
・自動車、電車通行の影響から、原告の主張する騒音は被告の操業が理由とはいい難い。
・被告が遮音のため様々な処置を行なったことは認められる。
・実際に聞いた状況から、被告工場の騒音は影響を憂慮する音でないことは明らかだ。
・差止めを求めうる程度の客観的妨害状態の存在は認め難い。
・原告の差止請求は理由がない。
・原告建物は工場としての用途にも利用され、騒音を発生させている。
・被告が行政指導に従わなかったことは認められる。
・行政を尊重する態度の欠如から原告が不快感をより募らせたことが推認される。
・原告が被った精神的苦痛に対する慰藉料としては50万円をもって相当である。

判例の詳細1 金属プレス工場の騒音被害で損害賠償請求が認められた事件


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