建物解体工事による騒音被害が認められ慰謝料が支払われた事件

判決

・被告らは原告らに各10万、合計180万円及び支払済みまで年5分の割合を支払うこと
・訴訟費用は約1/3が被告の負担

事実

・原告は被告が請け負っていた工事現場付近の居住者ら
・被告は建設会社及び施工会社ら

騒音調査の結果

騒音計による測定により、工事現場の敷地境界線部分において94dB、居住地の敷地において85dBを超える騒音が測定された。

原告らの主張

・被告らは工事内容を原告らに告知せずに秘密裏にアスベストの除去工事を行なった。
・法律ではアスベスト除去作業時の散水を定めているが、行われておらず違法である。
・本件工事による騒音、振動は条例に違反している。
・被告らは騒音、振動を低減させる対策をしておらず、受忍限度を超えている。
・被告らは十分な散水をして粉じんの発生を防止する措置を怠り瓦礫を飛散させた。
・被告らは早急な工事を行うため、十分な説明や工程表の配布等をしていない。
・本件工事は経済的利益を追及したものである。
・原告らは本件工事によって健康被害を受けた。
・公害調停において調停委員会が助言した支払も拒否したため誠実義務違反である。
・被告らは共同不法行為責任を負う。
・被告らは慰謝料として原告らに各20万円、及び支払済みまで年5分の割合を支払え。

被告建設会社の主張

・散水による飛散防止措置は講じられていた。
・騒音は受忍限度の範囲内である。
・振動は規制値を超えておらず受忍限度の範囲内である。
・粉じん発生は事実が不明である。
・被告建設会社は「特定粉じん排出等作業」業者でなく、法に基づく責任を負わない。
・上記の規則掲示義務からは、住民に対する説明義務は発生しない。
・誠実義務の内容は不明である。
・被告らに不法行為責任はない。

被告施工会社の主張

・アスベスト除去工事は外界から隔離した区画内で適切に行っている。
・アスベスト除去工事の際十分散水する義務があるとの主張については争う。
・94dBの騒音は認めるが、これは遮音性の低い道路境界面で測定したためである。
・騒音、振動は受忍限度の範囲内である。
・粉じん被害の主張は争う。
・誠実義務違反については争う。
・本件工事の届出書の「近隣周知」の記載は認めるが、説明会の開催義務はない。
・掲示義務があることは認めるが、住民に対する説明義務はない。
・被告らに不法行為責任はない。

裁判所の判断

・アスベスト除去工事の説明は、私法上の義務を負うと解することはできない。
・一時的にでも94dBを超える騒音、振動は受忍限度を超え、違法である。
・原告らは被告らに、騒音被害による不法行為に基づき損害賠償請求権を有している。
・粉じんの飛散により原告らに損害が発生したのか等不明である。
・被告らが近隣住民等に対する私法上の説明義務を負うと解することはできない。
・被告らが、原告らが主張するような法的義務を負っていたとはいえない。
・被告らが掲示義務に違反したところで原告らに損害が生じるとは認められない。
・原告らの誠実義務違反の主張は理由がない。
・被告らは原告らに各10万円、及び支払済みまで年5分の割合を支払え。
・被告らに対するその余の請求はいずれも理由がないのでこれらを棄却する。

判例の詳細1 建物解体工事による騒音被害が認められ慰謝料が支払われた事件


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