マンションにおける隣の部屋からの、「テレビの音」、「洗濯機の音」、「ドア開閉の音」、「いびき」、「トイレの水を流す音」などの生活騒音の測定、および騒音値の分析

1.報告概要

○○○○様のご依頼により騒音の測定が行われ、騒音値の解析及び等価騒音レベルの分析を行なった。

2.測定条件

測定日時
平成○○○○日17:32:05から平成○○○○日6:54:15
測定場所
神奈川県○○○○各室内

3.測定機器と設定

・普通騒音計
周波数重み特性:A特性
時間重み特性:FAST
サンプリングレート:1sec

4.測定結果

以下に測定された騒音値の経時変化をグラフに示す。また、測定された各期間における瞬時値最大値(音圧の最大値)と等価騒音レベルを示す。尚、測定が行われた地点は用途地域の指定上、第一種低層住居専用地域であることから、地域類型はAとなる。従って、当該測定地点の環境基本法に基づく環境基準値(以下、基準値)は、
・昼間6:00から22:00まで 55dB
・夜間22:00から翌6:00まで 45dB
である。また、以下の結果は4-1~4-5は昼間、夜間の期間(6:00から22:00等)毎に分けた分析結果、4-6~4-12は測定者からの報告事項によって分けた分析結果となっている。

4-1.2F南の部屋及び北の部屋、○○○○日昼間の測定結果
(○○○○日17:32:05から22:00:00まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の測定最大値は18:19:29に測定された64.7 dBであった。
・この期間における測定最大値は当該地域の基準値を超過している。
・この期間の等価騒音レベルは37.5 dBであった。
・この期間の等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過していない。

4-2.2F南の部屋、○○○○日夜間の測定結果
(○○○○日22:00:00から○○○○日6:00:00まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の測定最大値は23:00:37に測定された61.2 dBであった。
・この期間における測定最大値は当該地域の基準値を超過している。
・この期間の等価騒音レベルは32.3 dBであった。
・この期間の等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過していない。

4-3.2F南の部屋及び廊下と1F居間、○○○○日昼間の測定結果
(○○○○日6:00:00から22:00:00まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の測定最大値は18:36:27に測定された80.8 dBであった。
・この期間における測定最大値は当該地域の基準値を超過している。
・この期間の等価騒音レベルは50.3 dBであった。
・この期間の等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過していない。

4-4.1F居間○○○○日夜間の測定結果
(○○○○日22:00:00から○○○○日6:00:00まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の測定最大値は22:25:22に測定された74.3 dBであった。
・この期間における測定最大値は当該地域の基準値を超過している。
・この期間の等価騒音レベルは36.4 dBであった。
・この期間の等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過していない。

4-5.1F居間、○○○○日昼間の測定結果
(○○○○日6:00:00から6:54:15まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の測定最大値は6:49:40に測定された72.9 dBであった。
・この期間における測定最大値は当該地域の基準値を超過している。
・この期間の等価騒音レベルは46.6 dBであった。
・この期間の等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過していない。

4-6.2F南の部屋、○○○○日の測定結果
(17:35:00から18:00:00まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の測定最大値は17:36:27に測定された50.2 dBであった。
・この期間における測定最大値は当該地域の基準値を超過していない。
・この期間の等価騒音レベルは29.9 dBであった。
・この期間の等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過していない。
・測定者からの報告より、この期間は
■17:00:00~17:50:00ごろ:電話
■17:30:00~18:00:00ごろ:台所で料理
が行われた期間となる。

4-7.2F南の部屋及び北の部屋○○○○日の測定結果
(18:15:00から20:20:00まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の測定最大値は18:19:29に測定された64.7 dBであった。
・この期間における測定最大値は当該地域の基準値を超過している。
・この期間の等価騒音レベルは40.1 dBであった。
・この期間の等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過していない。
・測定者からの報告より、この期間は
■18:15:00~20:20:00ごろ:子供達が訪問、食事及び遊戯
■18:57:00ごろ:アパートのガス釜の点火異常音
が行われた、及び発生した期間となる。

4-8.2F南の部屋、○○○○日の測定結果
(0:50:00から4:30:00まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の測定最大値は2:03:41に測定された60.4 dBであった。
・この期間における測定最大値は当該地域の基準値を超過している。
・この期間の等価騒音レベルは33.0 dBであった。
・この期間の等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過していない。
・測定者からの報告より、この期間は「いびきの音」が発生した期間となる。

4-9.2F南の部屋、○○○○日の測定結果
(4:55:00から5:05:00まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の測定最大値は5:04:10に測定された47.1 dBであった。
・この期間における測定最大値は当該地域の基準値を超過している。
・この期間の等価騒音レベルは29.5 dBであった。
・この期間の等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過していない。
・測定者からの報告より、この期間は「トイレの排水音」が発生した期間となる。

4-10.2F廊下○○○○日の測定結果
(6:30:00から8:00:00まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の測定最大値は6:46:58に測定された63.1 dBであった。
・この期間における測定最大値は当該地域の基準値を超過している。
・この期間の等価騒音レベルは40.5 dBであった。
・この期間の等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過していない。
・測定者からの報告より、この期間は工事の昼休み時に測定が行われた期間となる。
・測定者からの報告より、この期間は「テレビの音」、「洗濯機の音」、「ドア開閉の音」が発生した期間となる。

4-11.1F居間○○○○日の測定結果
(17:26:16から19:44:34まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の測定最大値は18:36:27に測定された80.8 dBであった。
・この期間における測定最大値は当該地域の基準値を超過している。
・この期間の等価騒音レベルは53.9 dBであった。
・この期間の等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過していない。
・測定者からの報告より、この期間は
■17:25:00~19:00:00ごろ:テレビの音、調理の音
■17:36:00ごろ:シュレッダーの音
■18:21:00ごろ:携帯電話の音と声
■18:44:00ごろ:シュレッダーの音
■19:00:00~19:43:00ごろ:食洗機、終了音
が発生した期間となる。

4-12.1F居間、○○○○日の測定結果
(○○○○日21:35:00から○○○○日6:54:15まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化
注)
縦軸:音圧(dB)
横軸:時間

・この期間の測定最大値は21:42:39に測定された75.0 dBであった。
・この期間における測定最大値は当該地域の基準値を超過している。
・この期間の等価騒音レベルは41.5 dBであった。
・この期間の等価騒音レベルは当該地域の基準値を超過していない。
・測定者からの報告より、この期間は「いびきの音」「テレビの音」が発生した期間となる。

5.結論

上記結果より、測定場所におけるほぼ全ての期間において、測定最大値は当該地域の基準値を超えている、また、測定場所における全ての期間において、等価騒音レベルは一般的な基準値を超えていないことが明らかになった。
上記から室内では突発的に大きな音圧が発生しているように考えられるが、これらの音を屋外で測定した場合は建物の壁による減衰効果があるため凡そ20~30dB程の減衰が示唆され、最大音圧及び等価騒音レベルが基準値を超えない可能性は非常に高いと予想される。
また、全ての測定期間において等価騒音レベルが基準値を超えないことを鑑みても、当該測定地点において屋外で基準値を超える音圧が発生している可能性は極端に低く、騒音発生の可能性は示唆されない。 尚、結果4-8、4-12を見ると夜間の基準値である45dBを超える「いびきの音」が発生しているように見えるが、45dBを超えるのはいずれも1秒程度である。通常「いびきの音」は数秒続くものと考えられるため、「いびきの音」の音圧が基準値を超えているとは考えられない。

6.規制基準値の根拠

6-1.環境基本法・環境基準
騒音に係る環境基準 (H10.9.30環境庁告示第64号、H12.3.31東京都告示
第420号)
6-2.判例

東京地裁  平成6.5.9 判例時報1528号116 .
東京地裁 昭和 63.4.25 判例時報 1284号-49

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