普通騒音の低周波音の違い

一般に騒音とは「耳で聞き取れる不快な音」を指します。人間の耳には可聴域と呼ばれる「耳で聞こえる周波数の範囲」があるので、この可聴域内の音で尚且つ不快な音が「騒音」ということになります。これに対して、低周波音は極端に周波数の低い音であり、人間の可聴域外の音も含む音なので広義には騒音と区別すべきではありますが、両者ともに過剰に晒(さら)されると心身に悪影響を及ぼすという共通点もあります。なお、一般的に騒音と呼ばれる音と低周波音の違いは一言でいえば周波数の違いですが、その他にも下記の様な様々な違いがあります。

普通騒音と低周波音の違い

周波数

一般的な騒音が人間の可聴域である凡そ20Hz~2万Hzの音であるのに対して、低周波音は凡そ1~100Hzまでの周波数範囲内の音です。

聞こえやすさ

同じ音圧(音の大きさ)の音であっても、低周波音は人間の耳の感度が低い領域であるがゆえに一般的な騒音と比較して聞こえにくい(もしくは聞こえない)という特徴があります。聞こえやすさは単に耳の感度によるものですので、「聞こえないから問題ない」という訳ではありません。現代では、低周波音に晒され続けることにより様々な被害があることが明らかになっています。

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家具などのがたつき

一般的な騒音ではよっぽど大きな音圧でなえればがたつきなど見られませんが、低周波音は家や家具ががたつく被害として現れることがあります。家屋に届く低周波音の周波数によってはコップの水が揺れる、重ねてある食器がガタガタ音をたてる、といった現象が見られることもあります。

距離減衰

一般的な騒音と比較すると低周波音は距離による減衰が少なく、遠くまで減衰せずに届く特徴があります。当社へお問い合わせされるお客様の中には「山向こうの発電用設備の低周波音によって不眠の症状が出ている」「数km先の港にある施設による低周波音によって被害を受けている」という方も少なくありません。

壁による減衰

周波数にもよりますが、一般的な騒音は壁などの障害物があると良く反射、吸収され、壁の反対側には透過しにくいのですが(材質にもよりますが)、低周波音は一般的な材質の壁を良く透過する性質があります。したがって一般的な防音壁がほとんど意味をなさない場合があります。

個人差

一般的な騒音についても周波数別に人によって聞こえ方(感度)は異なりますが、低周波音では個人差がより顕著です。ある人には重篤な影響をもたらす大きさの低周波音でも、全く感じない人もいます。「家族の中で自身だけ感じる」といったご不安を抱えた方、ご両親のいずれかだけが感じていて「実際に親が低周波音の被害を受けているかを確認したい」といったお客様からのお問い合わせが当社には多々ございます。

被害の感じ方

一般的な騒音は単純に「うるさい・やかましい」と感じますが、低周波音は「なんだかよくわからないが気分が悪い、苦しい、頭痛、耳鳴り」などといった不定愁訴として現れます。
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場所による被害の差

一般的な騒音の場合は騒音発生源に近い屋外でより強く被害を感じますが、低周波音については屋内にいる方が強く被害を感じることがあり、窓を開けた方が被害が軽くなるというような場合もあります(低周波音の共鳴による音の増幅効果が軽減されるため)。

経時による変化

一般的な騒音(すなわちうるささ)はずっとさらされていると人によっては慣れますが、低周波音による被害は曝露時間が増えると悪化する傾向があります。

耳栓の効果

一般的な騒音では耳栓があらゆるケースにおいて有効ですが、低周波音では無意味あるいはさらに悪くなる場合があります。
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測定

一般的な騒音は、普通騒音計による騒音レベル(A特性)を測定しますが、低周波音は騒音計では測定できず、低周波音計によって測定し、三分の一オクターブバンド周波数分析を行います。ちなみに低周波音は測定器が特殊かつ高額であるため、従来の騒音計よりも調査料金が高額になりがちで、調査が一般に困難です。当社では少しでも調査がしやすい様価格を抑えて低周波音を調査・測定するサービスを提供しておりますので、測定が必要な際は是非当社にお声がけください。
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