最も安価な騒音対策?耳栓のタイプごとの違いと適切な選び方

多くの騒音問題において発生源に解決を委ねるのは難しい


一般的に音の大きさのレベルは「dB(デシベル)」という単位で表されます。騒音も何段階かに分類されますが、本当にざっくりいうと、「うるさい」と感じるレベルはおおむね60dB程度です。これは人が普通に会話している、あるいは時速40キロで走る自動車の内部がこのレベルとなります。つまり、60db程度の音圧は世界にあふれているといえます。
一般的に騒音の解決は、「発生源に対策してもらう」方法と「自分が何とかする」方法に大別できます。本来は全て発生源に対策してもらいたいところですが、上記のように騒音にあふれている世の中ですので、すべての発生源に苦情を申し立てることは現実的ではありません。

耳栓は最も安価な騒音対策の一つ


そこで、自己防衛のために防音対策を講じるのも一つの手段といえます。防音壁や防音ガラスなど、現在では様々な対策を講じることができるようになりましたが、費用も手間もかかります。しかし、もっと手軽に・簡単に「静けさ」を手に入れるには「耳栓・耳覆い」を使用するという方法があります。値段も種類も様々で、数百円~数万円するものまであります。耳栓は一般的に防音保護具というカテゴリに属していますが、このカテゴリには耳栓のほかにヘッドフォン型で耳全体をスッポリと覆う耳覆い(イヤーマフ)があります

耳栓は大きく3種類に分けられる


種類も豊富で手軽に装着できる耳栓(外耳に入れて使用するもの)は大きく下記の通り3つに分類することができます。
1.フォーム型:低反発のポリウレタンフォームを採用。指先でつまんで耳穴に入るように変形させて挿入します。元の形に復元することでフィットします。遮音性も高く単価も安いため、広く普及していますが、耳垢のタイプによっては汚れやすく、指先で変形させるため、衛生面での注意が必要というデメリットもあります。
2.フランジ型:シリコンなどで作られた柔らかいフランジ(ヒレ)がついたタイプで、耳穴に抜き差しするだけで装着できます。耐水性もあるため、水洗いが可能で繰り返し使用することができます。フィット感ではフォーム型より劣りますが、指先で変形させないぶん、衛生的とも言えます。
3.粘土型:シリコン粘土を採用。パテ状になっていて、指先でこねて耳穴の上に貼り付けて使用します。フィット感・遮音性は高いものの、一回限りの使い捨てとなり、耳穴に挿入しないため固定しづらいというデメリットがあります。
まとめると下記のとおりとなります。

分類

概要

長所

短所

フォーム型 低反発のポリウレタンフォームを採用。指先でつまんで耳穴に入るように変形させて挿入します。元の形に復元することでフィットします。 遮音性も高く単価も安いため、広く普及している 耳垢のタイプによっては汚れやすく、指先で変形させるため、衛生面での注意が必要
フランジ型 シリコンなどで作られた柔らかいフランジ(ヒレ)がついたタイプで、耳穴に抜き差しするだけで装着できます。 耐水性もあるため、水洗いが可能で繰り返し使用することができる。、指先で変形させないぶん、衛生的。 フィット感ではフォーム型より劣る
粘土型 シリコン粘土を採用。パテ状になっていて、指先でこねて耳穴の上に貼り付けて使用します。 フィット感・遮音性は高い 一回限りの使い捨てとなり、耳穴に挿入しないため固定しづらい

耳栓を選ぶ際にはNRRをチェックしよう


耳栓を選ぶ際、その耳栓の性能を測る大体の目安としてはNRR(ノイズリダクションレーティング:遮音値)があります。この値は、アメリカの環境保護局が作成した指標で、100人中98人の人が、その器具(耳栓)を使用した際に得られると感じる遮音性能(db)を持っていることを示しています。つまり、たとえば80dbの騒音に晒されている場所において、NRRが30dbの耳栓やイヤーマフを使用すれば、体感的には50dbの騒音に低減できるということです(>>リンク:騒音の目安)。どの程度の騒音に曝されているのか、どの程度の騒音にまで低減したいのかによって必要となるNRRは変わります。
数値などよくわからない場合はNRR30以上のものを選ぶと良いでしょう。パッケージなどにも記載があるのでチェックしてみましょう。

自分の耳にフィットしているかどうかをテストする方法

耳栓を選ぶ際はNRR・遮音性能だけでなく、自分の耳にフィットするかどうかもチェックする必要があります。高い性能を有する保護具であっても正しく耳にフィットしなければ、十分な性能が発揮されませんし、耳にも不快感が生じます。
耳栓がフィットしているかどうかは次の2つの方法で確認することができます。まず、耳栓をした状態で声を出してみましょう。声がこもって聞こえればちゃんとふさがっています。また耳栓をしたまま、テレビなどある程度の音量がある場所で、両耳をふさいだり離したりを繰り返してみましょう。ちゃんとフィットしていれば聞こえる音に変化はないはずです。

可能であれば複数種類の耳栓を試してみよう


耳栓を選ぶ際に気をつけたいのが、人が「良い」と言うものをそのまま鵜呑みにしないということです。何故なら、耳の大きさや耳穴は人によってそれぞれ違うからです。ある程度参考にするに留め、自分にあったものを選ぶことが大切です。可能であれば何種類か実際に試してみて、自分に合ったものを比較・検討して探してみましょう。

低周波音とは
法人・事業所・各種団体様
騒音訴訟と判例 騒音トラブル事件簿

リンク

リンク

問い合わせリンク