周波数特性の解析による騒音発生源推定と騒音対策

騒音にはその大きさ(音圧)とは別に周波数特性という重要な要素があります。一般的に音は様々な周波数(1,000hz、500hzなど)は組み合わさったものです。周波数分析とは周波数別の音圧レベルを分析したものです(オクターブバンドと呼ばれることもあります)。例えば以下はエアコン(空調機)室外機から発生している騒音の周波数分布です。31.5hz程度をピークとして周波数が上がると共に音圧レベル(音の大きさ)が下がっています。このような周波数特性(波形の形)は騒音発生源によってそれぞれ異なります。周波数特性を測定・記録するためには音圧レベルのみ想定可能な通常の騒音計では無く、周波数別の騒音レベルが測定できるものを用いなくてはなりません。

室外機の騒音周波数特性

周波数分析で出来ること

騒音の周波数を測定分析することによって「騒音発生源の推定」「騒音対策方法の設計」が可能となります。

騒音発生源の推定

上述の通り音圧レベル(音の大きさ)の周波数分布は騒音発生源によって異なります。このことを利用して騒音発生源を推定することが可能となる場合があります。例えば室内において音圧レベルが60dbを超えていたとしてもその音がどこから発生しているか、すなわち発生源が分からない場合に、考えられる様々な騒音発生源の周波数分布と、室内における騒音の周波数分布を計測し、比較することによって、何が騒音発生源なのかを類推することが出来るのです。
周波数分析による騒音発生源の特定
例えば以下のように室内の周波数特性を解析すると共に、疑わしい騒音発生源A,B,Cにおいて周波数解析を行うことで、波形が同じ騒音源Aが騒音発生源であることを推定します。

騒音対策(防音対策)の設計

騒音対策の代表的なものの一つに防音対策・防音工事がありますが、どのような材質で、どのような材質や厚みで防音対策を行うべきか分からない場合に、周波数解析が有効となる場合があります。防音のために使用される材料は、その材質によってどの周波数の騒音を吸収しやすいかが異なります。例えば下記はウレタン系吸音材とグラスウール系吸音材による周波数別の騒音レベルの値を比較したものです。
騒音の周波数特性解析と騒音対策
低周波域(おおむね~5,000hz)においてはウレタン系のグラスウール系はほぼ同じ特性を示していますが、周波数が上がるにつれてグラスウールの防音性能はウレタン系と比較して非常に大きなものになっています。したがって例えば発生している騒音が15000hz以上のものであればグラスウール系の方が有利であるということが出来ます。
このように周波数解析を行うことによって騒音対策のためにひつような防音材料の設計に役立てることがあります。

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