メディア企業におけるイベント時の商業施設における楽器演奏に関する騒音の測定と分析

1.報告概要

メディア企業様のご依頼により、東京○○○、商業地域内の複数箇所において騒音計による測定を行い、音圧の解析を行なった。尚、本測定の目的は「イベントにおいて使用する楽器の騒音発生の有無を調査する」ものである。

2.測定条件

2-1.測定場所

・○○○○
・○○○○
・○○○○
・○○○○

2-2.測定日時

○○○○日から○○○○日

3.測定機器と設定

・普通騒音計
周波数重み特性:A特性
時間重み特性:FAST
サンプリングレート:1sec

4.測定結果

以下に、測定された騒音値の経時変化をグラフに示す。また、測定者からの報告事項、各測定期間における等価騒音レベルも合わせて記載する。

4-1.○○○○での測定
○○○○(16:32:06から16:40:29まで)

図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この結果は○○○○(日中は雨天、測定時は晴天)に、○○○○前で、暗騒音(鐘を鳴らしていない状態)の測定を1台目の騒音計で行なったものである。
・この測定における等価騒音レベルは55.3dBであった。

4-2.○○○○前での測定
○○○○(16:32:04から16:40:00まで)
図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この結果は○○○○(日中は雨天、測定時は晴天)に、○○○○前で、
暗騒音(鐘を鳴らしていない状態)の測定を2台目の騒音計で行なったもの
である。

・この測定における等価騒音レベルは56.7dBであった。

4-3.○○○○前での測定
○○○○(16:10:42から16:21:22まで)
図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この結果は○○○○(晴天)に○○○○前において暗騒音(鐘を鳴らしていない状態)の測定を、1台目の騒音計で行なったものである。

・この測定における等価騒音レベルは56.1dBであった。

4-4.○○○○前での測定
○○○○(16:10:48から16:20:00まで)
図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この結果は○○○○(晴天)に○○○○ホテル前において暗騒音(鐘を鳴らしていない状態)の測定を、2台目の騒音計で行なったものである。
・この測定における等価騒音レベルは57.7dBであった。

4-5.○○○○前での測定
○○○○(16:09:00から16:13:00まで)
図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この結果は、○○○○(晴天)に○○○○において、鐘を16時9分ちょうどに1回鳴らし、その後1分おきに計5回鳴らした際の測定結果である。
・この測定は○○○○前において行なわれた。
・この測定における等価騒音レベルは61.4dBであった。

4-6.○○○○ホテルフロントでの測定
○○○○(16:09:00から16:13:00まで)
図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この結果は、○○○○(晴天)に○○○○において、鐘を16時9分ちょうどに1回鳴らし、その後1分おきに計5回鳴らした際の測定結果である。
・この測定は、クラシック音楽が流れている○○○○ホテルのフロントにおいて行なわれた。
・この測定における等価騒音レベルは56.2dBであった。

4-7.○○○○ホテル9F客室内での測定
○○○○(16:22:00から16:26:00まで)
図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この結果は、○○○○(晴天)に○○○○において、鐘を16時22分ちょうどに1回鳴らし、その後1分おきに計5回鳴らした際の測定結果である。
・この測定は、○○○○ホテルの9F、客室内の窓際において行なわれた。
・尚、この客室は○○○○に最も近い部屋である。
・この測定における等価騒音レベルは36.5dBであった。

4-8.○○○○(マンション)前での測定
○○○○(16:22:00から16:26:00まで)
図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この結果は、○○○○(晴天)に○○○○において、鐘を16時22分ちょうどに1回鳴らし、その後1分おきに計5回鳴らした際の
測定結果である。
・この測定は、○○○○社屋に最も近いマンションである○○○○において行なわれた。
・測定の際に付近を子供が走り回り、その子供の親かは不明であるが立ち話をする方が多く見受けられた。
・この測定における等価騒音レベルは64.4dBであった。

4-9.移動中(○○○○ホテル→○○○○)の測定
○○○○(16:14:00から16:20:00まで)
図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この結果は、○○○○(晴天)に測定者が移動した際の測定結果である。
・この測定における等価騒音レベルは69.9dBであった。

図.4-1における音圧レベル(dB)の経時変化、拡大図


図.4-2における音圧レベル(dB)の経時変化、拡大図


図.4-3における音圧レベル(dB)の経時変化、拡大図


図.4-4における音圧レベル(dB)の経時変化、拡大図


図.4-5における音圧レベル(dB)の経時変化、拡大図


図.4-6における音圧レベル(dB)の経時変化、拡大図


図.4-7における音圧レベル(dB)の経時変化、拡大図


図.4-8における音圧レベル(dB)の経時変化、拡大図


図.4-9における音圧レベル(dB)の経時変化、拡大図

5.結論

今回測定が行われた港区台場は商業地域に属する。且つ、測定が行なわれた数箇所はいずれも幹線交通を担う道路に近接しているため、いずれの測定箇所においても基準値は
・昼間:70デシベル以下
・夜間:65デシベル以下
となる。
上記の4-6~4-8における結果から、鐘の音を鳴らしていた期間の等価騒音レベルは、これらの基準値を昼間、夜間の両方において超えていないことがわかった。このため、鐘を鳴らすことによる騒音は発生していない。
また、4-1~4-4の測定結果を見てもわかる通り、この地域は元々突発的に音が発生する頻度が高い。加えて、今回の測定では鐘は計5回鳴らしている。これらのことから、4-5の16:10頃に見られる突発的に上がっている音圧は、鐘以外の外部騒音による音圧の可能性が高く(鐘の音で音圧が上昇しているなら、他に4回は音圧が上がっている箇所があるべきであるが、それが見られない)、鐘を鳴らすことによる周囲への影響は極端に低い、または無いものと考えられる。
尚、4-6と4-7の測定結果から、上の階である程、外部の音圧の減衰が確認できるため、○○○○社屋の周囲にある家屋内では鐘による影響がほぼ皆無、また、極端に高い確率で基準値を超えないことが予想される。
上記の様々な事項に加え、本番の候補地の一つである「○○○○」は周囲に「○○○○」より多くの障害物があるため、こちらで本番を行なった場合に基準値を上回ることは考えられない(今回の測定結果でも下回っているが)。余談ではあるが、4-9における測定結果は鐘を鳴らしていない時間帯である上、騒音計により測定を行なっている状態で測定者が動き回っているため、正確なデータとは考えられない。このため考慮に加えていない。

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