ピアノ演奏時における防音室内外の音圧レベル測定および分析による室外への音漏れ評価

1.報告概要

神戸市○○○○の複数箇所において騒音計による測定が行われ、それによって得られた音圧の解析を行なった。

2.測定条件

2-1.測定場所
・2F 和室
・ピアノ前
・防音室外北側
・防音室外南側
・防音室外西側

2-2.測定日時
○○○○日

3.測定機器と設定

・普通騒音計 
周波数重み特性:A特性
時間重み特性:FAST
サンプリングレート:1sec

4.測定結果

以下に、測定された騒音値の経時変化をグラフに示す。また、各測定期間
における等価騒音レベル、備考等も合わせて記載する。
尚、当日の現地の状況は
・天気:晴れ
・湿度:72%
・風向:西
・風速:8m
であった。

4-1.和室での測定結果
(22:30:00~22:50:00)

図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この測定期間全体における等価騒音レベルは41.7dBであった。

4-2.ピアノ前での測定結果
(20:43:06~20:44:38)

図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この期間の測定はピアノ演奏中に行われた。
・この測定期間全体における等価騒音レベルは91.3dBであった。

4-3.ピアノ前での測定結果2
(23:16:40~23:23:37)

図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この期間の測定はピアノ演奏中に行われた。
・この測定期間全体における等価騒音レベルは105.5dBであった。

4-4.防音室外北側での測定結果
(22:22:22~23:02:32)

図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この期間の測定は、開始から22:40:00までピアノ演奏中に行われた。
・22:40:00にピアノ演奏は停止し、22:41:00から暗騒音の測定が行われた。
・尚、上記グラフ中、22:48頃から車が通る音、22:58頃から人が通る音が確認
されている。
・また、この期間中で30秒間の等価騒音レベルが夜間の基準値である50dBを
10dB以上超えていた期間は次の通りとなる。
・22:22:27~22:22:56…60.2dB
・22:25:23~22:25:52…60.1dB
・22:29:30~22:29:59…60.1dB
・22:30:07~22:30:36…60.3dB
・22:30:37~22:31:08…60.1dB
・22:31:09~22:31:38…61.3dB
・22:31:39~22:32:08…61.3dB
・22:32:09~22:32:38…61.1dB
・22:32:39~22:33:08…61.6dB
・22:33:09~22:33:38…61.1dB
・22:33:39~22:34:08…61.4dB
・22:35:13~22:35:42…60.6dB
・上記に加え、22:30:07~22:35:42の等価騒音レベルを算出した所、60.3dBという結果が得られた。このため22:30:07~22:35:42の期間中は等価騒音レベルが基準値を大きく上回っていることになる。

4-5.防音室外南側での測定結果
(22:22:44~23:03:27)

図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この期間の測定は、開始から22:40:00までピアノ演奏中に行われた。
・22:40:00にピアノ演奏は停止し、22:41:00から暗騒音の測定が行われた。
・この測定期間全体における等価騒音レベルは56.9dBであった。

4-6.防音室外西側での測定結果
(22:31:37~23:03:28)

図:音圧レベル(dB)の経時変化

・この期間の測定は、開始から22:40:00までピアノ演奏中に行われた。
・22:40:00にピアノ演奏は停止し、22:41:00から暗騒音の測定が行われた。
・この測定期間全体における等価騒音レベルは52.5dBであった。


図.4-1における音圧レベル(dB)の経時変化、拡大図


図.4-2における音圧レベル(dB)の経時変化、拡大図


図.4-3における音圧レベル(dB)の経時変化、拡大図


図.4-4における音圧レベル(dB)の経時変化、拡大図


図.4-5における音圧レベル(dB)の経時変化、拡大図


図.4-6における音圧レベル(dB)の経時変化、拡大図

図.防音室内1(無音状態のテレビ)
図.防音室内2(無音状態のテレビ)
図.防音室内3(騒音計設置状態)
図.防音室外西側(騒音計設置状態)
図.防音室外北側(騒音計設置状態)
図.和室(騒音計設置状態)
図.1月2日、測定当日のテレビ番組表1
図.1月2日、測定当日のテレビ番組表2
図.1月2日、測定当日のテレビ番組表3

5.結論

今回測定が行われた神戸市○○○○は商業、工業等の用に供される区域に属する。このため、環境基本法による地域類型指定よりCの類型となり、測定地点の騒音に関する基準値は、
・昼間:60dB以下
・夜間:50dB以下
 となる。まず、上記4-1の結果から、ピアノを弾いている期間である22:30~22:40 の間は音圧が上がっていることがわかる(4-3のグラフからもわかる。)  また、4-4の結果から北側の防音壁外ではピアノを弾いている期間中に等価騒音レベルが、上記の基準値を上回っている期間が多数存在していることがわかる。このことから、測定地点における等価騒音レベルは環境基準を超えるものであり、受忍限度を超えていると言える。各種法令により、受忍限度を超える騒音の発生は規制されているため、速やかな騒音発生の抑止が望まれる。

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