スーパーマーケットの室外機による騒音被害への損害賠償請求と差止請求が認容された事件

判決

・被告らは原告らに対して計約100万円(\977,100)及び内約55万円(\548,000)における支払済みまで年5分の割合で金員を支払うこと
・被告会社は、
午前6時から午前8時まで:55dB
午前8時から午後8時まで:60dB
午後8時から午後11時まで:55dB
午後11時から翌午前6時まで:50dB
を超える音量の騒音を原告らの指定した範囲に侵入させてはならない
・訴訟費用は4/5が被告らの負担

事実

・原告らはビルの2階に住む居住者ら。
・被告らはビル1階のスーパーマーケット。

騒音調査の結果

敷地境界で60~70dBの騒音が発生していた。

原告らの主張

・被告らは室外機により受忍限度を超えた騒音と振動を発生させている。
・騒音と振動により夜間の安眠を妨害され、不快感、焦燥感等に苛まれた。
・被告らは窓を二重サッシにして防音可能と主張するが、窓を閉め切った生活を強制するのは不当である。
・室外機は原告らに無断で設置されたものである。
・騒音の差止め、室外機の移設及び防音、防振設備の設置を求める。
・不法行為責任に基づき慰謝料の支払を求める。

被告らの主張

・建物の遮音性能を考慮すると、騒音と振動は受忍限度を超えないはずである。
・室外機の設置場所は被告が指定したものではない。
・原告らが室外機の設置場所を知らなかったのは建築主同士の打ち合わせが不十分であったためで、原告らに責任がある。
・室外機の移設は困難であることを説明してきた。
・防音壁の適切な位置への設置も提案したが拒否された。
・違法とはいえないため慰謝料の支払は認められない。

裁判所の判断

・室外機の騒音は、条例基準、旧環境準及び新環境基準を超えていることが確認できる。
・建物の遮音性能を考慮しても前記各基準を上回ることから受忍限度を超えている。
・原告らが耳栓をして就寝する生活を強いられていること等の事情も認められ、違法であると認められる。
・換気で窓を開放する等は生活上当然であり、二重サッシでの防音は対策として不十分である。
・防音壁の設置は居住者への影響が認められるため、原告が拒否したのは妥当といえる。
・被告らは室外機の使用にあたり、騒音防止に必要な配慮と各規制基準の遵守する義務を怠っている。
・被告らは原告らの居住部分に受忍限度を超える騒音を侵入させないようにすべき義務があるのに、これを怠っている。
・室外機の騒音は防音壁により防止できるため移設の義務はない。
・以上より、被告らは原告らに対して計977,100円及び内548,000円における支払済みまで年5分の割合で金員を支払うことが相当である。
・また、以上より被告会社は、
午前6時から午前8時まで:55dB
午前8時から午後8時まで:60dB
午後8時から午後11時まで:55dB
午後11時から翌午前6時まで:50dB
を超える音量の騒音を原告らの指定した範囲に侵入させないことが相当な対応である。
・また、訴訟費用は4/5が被告らの負担とするのが相当である。

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