オートレース場騒音の売却前説明を怠ったとする購入主から売主代理人への損害賠償請求が棄却された事件

判決

・原告の請求を棄却
・訴訟費用は全て原告の負担

事実

・原告はマンション購入者。
・被告らはマンションの分譲販売をしている会社と、その販売代理人。
※当裁判中、購入されたマンションは建設中であった。

原告の主張

・マンション購入の仮契約まで近隣にオートレース場があると説明されていなかった。
・オートレース場の126dBに及ぶ騒音レベルについては記載も説明もされていない。
・オートレースの開催日数が年間72日以上あることは記載も説明されていない。
・1000レースにも及ぶレース数については何の記載も説明もされていない。
・上記は説明義務に違反し、債務不履行といえる。
・損害賠償として377万8千円及び支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
・原告自宅となっている部屋の全ての窓を二重サッシにせよ。

被告らの主張

・原告の要望を受け、本件を記載した重要事項説明書の写しを送付している。
・原告は重要事項説明書の内容を細かく検討していた事実がある。
・本件マンションのモデルルームで原告に対応した際、マンション及び周囲施設の模型で物件の位置を説明した。
・説明時に使用した模型ではオートレース場も忠実に再現されている。
・説明時にはオートレースが開催されており、レースの音も聞いたはずである。
・マンションはオートレース場に隣接しており、目視でも自然に確認されるはずである。
・以上から、原告はオートレース場が隣接することを事前に知っていた。
・原告の説明義務違反の主張は争う。

裁判所の判断

・被告が原告に重要事項説明書の写しを送付していることは認められる。
・原告側の証人から、原告は資料を読んでいないとの証言もあるが信用できない。
・被告らは、特にオートレース場だけの説明を行なっていないが、重要事項説明書にその内容が含まれ、説明を行ったことは認められる。
・また、被告らが作成した本件マンションのチラシにはオートレース場の表示がない。
・ただし、被告らが説明時に使用した模型にはオートレース場の表示がなされている。
・原告が被告らの説明時に来訪したとき、たしかにオートレースは行われていた。
・オートレース場の存在を事前に知ることは容易だったといえる。
・以上から、被告が説明義務に違反しているとはいえない。
・原告の請求は理由がないから棄却する。

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