騒音に関するさまざまな規制と法律(規制値、基準値、参照値)

騒音に関するさまざまな規制と法律

騒音問題は高度成長期において顕在化し、その後時代の流れとともに変化してきました。このため騒音を規制する法律やルールについても単一ではなく、国が定める法律もあれば自治体が定める条例もあり、また閾値についても基準であったり、参照値であったりとさまざまです。各基準が地域や時間帯を異なる方法で分類していることも規制への理解をよりいっそうわかりにくくさせています。
規制や法律が一本化されていないため、騒音問題が発生した際にどのような基準値を参照するのかについては「対象の騒音の発生源の主体」や「発生している地域」などに基づいて適切に選択する必要があります。
このページではそんな多種多様な騒音に関する法律や規制基準について主なものを紹介しています(規制値や基準値は一部自治体によって異なることがありますので、詳細については各自治体にお問い合わせください)。
主な騒音に関する法律・規制をまとめたものが下記の図表です。本ページでは「騒音規正法」と「環境基準」、風営法、各自治体が定める条例(本ページでは例として「東京都の都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」)低周波音の評価指針を紹介いたします。

環境基準(環境基本法)

人の健康の保護及び生活環境の保全のうえで維持されることが望ましい基準として、終局的に、大気、水、土壌、騒音をどの程度に保つことを目標に施策を実施していくのかという目標を定めたものが環境基準です。
環境基準は、「維持されることが望ましい基準」であり、行政上の政策目標です。これは、人の健康等を維持するための最低限度としてではなく、より積極的に維持されることが望ましい目標として、その確保を図っていこうとするものです。
騒音に関する環境基準はさらに全般的な騒音についての「騒音にかかわる環境基準」、航空機に関する「航空機騒音にかかわる環境基準」、新幹線にかかわる「新幹線鉄道騒音にかかわる環境基準」に分けることができます。

【環境基準】騒音に係る環境基準

環境基準は、地域の類型及び時間の区分ごとに次表の基準値の欄に掲げるとおりとし、各類型を当てはめる地域は、都道府県知事(市の区域内の地域については、市長。)が指定する。

地域の区分

基準値

昼間

夜間

a地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域

60db以下

55db以下

b地域のうち2車線以上の車線を有する道路に面する地域及び

65db以下

60db以下

c地域のうち車線を有する道路に面する地域
幹線交通を担う道路に近接する空間

70db以下

65db以下

※道路に面する地域とは、道路交通騒音が支配的な音源である地域のことで、一律には言えないが、環境庁(現: 環境省)マニュアルによれば、概ね道路端から50mの範囲をいう。 3 「車線」とは、1縦列の自動車が安全かつ円滑に走行するために必要な一定の幅員を有する帯状の車道部分を言 う。 4 「幹線交通を担う道路に近接する空間」とは、高速道路、一般国道、都道府県道、4車線以上の市町村道区間の 道路で、2車線以下の道路では道路端から15mの範囲、2車線を超える道路では道路端から20mの範囲をいう。

【環境基準】航空機騒音に係る環境基準

人の健康の保護に資するうえで維持することが望ましい航空機騒音に係る基準(以下「環境基準」という。)環境基準は、地域の類型ごとに次表の基準値のとおりとし、各類型をあてはめる地域は、都道府県知事が指定する。

地域の類型

基準値

I

57db以下

II

62db以下

※I をあてはめる地域は専ら住居の用に供される地域とし、II をあてはめる地域は I 以外の地域であつて通常の生活を保全する必要がある地域とする。

【環境基準】新幹線鉄道騒音に係る環境基準について

生活環境を保全し、人の健康の保護に資するうえで維持することが望ましい新幹線鉄道騒音に係る基準(以下「環境基準」という。)は地域の類型ごとに次表の基準値の欄に掲げるとおりとし、各類型をあてはめる地域は、都道府県知事が指定する。

地域の類型

基準値

I

70db以下

II

75db以下

※I をあてはめる地域は主として住居の用に供される地域とし、II をあてはめる地域は商工業の用に供される地域等I以外の地域であつて通常の生活を保全する必要がある地域とする。

騒音規制法とは

騒音規制法は、「工場及び事業場における事業活動並びに建設工事に伴って発生する相当範囲にわたる騒音」について必要な規制を行うとともに、自動車騒音に係る許容限度を定めること等により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とした法律です。環境規制法はさらに「工場・事業場騒音の規制」、「建設作業騒音の規制」「自動車騒音の規制」、「深夜騒音等の規制」に分けることができます。

【騒音規制法】工場・事業場騒音の規制(特定工場等において発生する騒音の規制)

騒音規制法では、機械プレスや送風機など、著しい騒音を発生する施設であって政令で定める施設を設置する工場・事業場が規制対象となります。
具体的には、都道府県知事(市の区域内の地域については、市長。以下「都道府県知事等」という。)が騒音について規制する地域を指定するとともに、環境大臣が定める基準の範囲内において時間及び区域の区分ごとの規制基準を定め、市町村長が規制対象となる特定施設等に関し、必要に応じて改善勧告等を行います。

騒音規制法第4条第1項の規定による規制基準

昼間

夜間

 

午前6時から午前8時まで

午前8時から午後6時まで

午後6時から午後9時まで

午後9時から翌日の午前6時まで
第一種区域

45db

50db

45db

40db

第二種区域

50db

55db

50db

45db

第三種区域 A

55db

60db

55db

50db

第三種区域 B

60db

65db

60db

55db

第四種区域 A

60db

65db

60db

55db

第四種区域 B

65db

70db

65db

60db

「A」及び「B」とは、それぞれ次の各号に掲げる区域をいう。

(1) A 昭和52年3月30日において既に着工され、又は設置されている学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条第1項に規定する保育所、医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5第1項に規定する病院及び同条第2項に規定する診療所のうち患者を入院させるための施設を有するもの、図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項に規定する図書館、老人福祉法(昭和38年法律第133号)第5条の3に規定する特別養護老人ホーム並びに就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成18年法律第77号)第2条第7項に規定する幼保連携型認定こども園の敷地の周囲50メートルの区域並びに第一種区域、第二種区域の境界線から15メートル以内の区域
(2) B 「A」以外の区域

【騒音規制法】建設作業騒音の規制(特定建設作業に伴って発生する騒音の規制)

騒音規制法では、くい打機など、建設工事として行われる作業のうち、著しい騒音を発生する作業であって政令で定める作業を規制対象としている。
具体的には、工場騒音と同様に都道府県知事等が規制地域を指定するとともに、環境大臣が騒音の大きさ、作業時間帯、日数、曜日等の基準を定めており、市町村長は規制対象となる特定建設作業に関し、必要に応じて改善勧告等を行う。

特定建設作業に伴って発生する騒音の規制に関する基準

区域

基準値

作業禁止時間帯

最大作業時間

最大連続作業日数

作業を行わない日

第一号に掲げる区域

85

PM 7:00 ~ AM 7:00

10時間を超えないこと

連続6日を超えないこと

日曜日その他休日

第二号に掲げる区域

PM 10:00 ~ AM 6:00

14時間を超えないこと

第1号・・・法第3条第1項の規定により指定された区域のうち、次のいずれかに該当する区域として都道府県知事が指定した区域
イ 良好な住居の環境を保全するため、特に静穏の保持を必要とする区域であること。
ロ 住居の用に供されているため、静穏の保持を必要とする区域であること。
ハ 住居の用に併せて商業、工業等の用に供されている区域であつて、相当数の住居が集合しているため、騒音の発生を防止する必要がある区域であること。
ニ 学校教育法第1条に規定する学校、児童福祉法第7条に規定する保育所、医療法第1条の5第1項に規定する病院及び同条第2項に規定する診療所のうち患者の収容施設を有するもの、図書館法第2条第1項に規定する図書館並びに老人福祉法第5条の3に規定する 特別養護老人ホームの敷地の周囲おおむね80mの区域内であること。
第2号・・・法第3条第1項の規定により指定された地域のうち、前号に掲げる区域以外の区域

【騒音規制法】自動車騒音の規制

(1)許容限度
自動車単体から発生する騒音に対して、自動車が一定の条件で運行する場合に発生する自動車騒音の大きさの限度値を環境大臣が定めています。
(2)自動車騒音の要請限度
都道府県知事等が定める指定地域内において、測定の結果、自動車騒音が環境省令で定める限度値を超えていることにより、周辺の生活環境が著しく損なわれていると認められる場合、市町村長は都道府県公安委員会に道路交通規制等の措置をとるよう要請する。

 

 

 

昼間

夜間

 

 

 

AM6:00~PM10:00

PM10:00~AM6:00

第一区域

a区域

1車線

65db

55db

b区域

1車線

第二区域

a区域

2車線以上

70db

65db

第三区域

b区域

2車線以上

75db

70db

c区域

a区域 もっぱら住居の用に供される区域
b区域 取得して住居の用に供される区域
c区域 相当数の住居と併せて商業、工業などの用に供される区域

【騒音規制法】深夜騒音等の規制

深夜騒音等の規制に関しては、地方公共団体が、住民の生活環境保全の観点から、当該地域の自然的、社会的条件に応じて必要な措置を講ずる。

深夜営業等に関する規制基準【東京都】

区域の区分

音源の在する敷地と隣地との境界線における音量

種別

該当区域

第1種区域 第1種低層住居専用地域 

40db

第2種低層住居専用地域 
AA地域 
前号に接する地先及び水面
第2種区域 第1種中高層住居専用地域 

45db

第2種中高層住居専用地域 
第1種住居地域 
第2種住居地域 
準住居地域 
無指定地域(第1種、第3種、第4種区域を除く。) 
第1特別地域
第3種区域 近隣商業地域(第1特別地域を除く。) 

50db

商業地域(第1特別地域を除く。) 
準工業地域(第1特別地域を除く。) 
第2特別地域 
前号に接する地先及び水面
第4種区域 工業地域(第1、第2特別地域を除く。) 

55db

第3特別地域 
前号に接する地先及び水面

ただし、第2種区域、第3種区域又は第4種区域の区域内に所在する学校、保育所、病院、診療所、図書館及び老人ホームの敷地の周囲おおむね50mの区域内(第1特別地域、第2特別地域及び第3特別地域を除く。)における規制基準は、当該値から5デシベルを減じた値とする。

風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)

法第十五条 の規定に基づく条例を定める場合における同条 の風俗営業者に係る騒音に係る数値は、次の表の上欄に掲げる地域ごとに、同表の下欄に掲げる時間の区分に応じ、それぞれ同欄に定める数値を超えない範囲内において定めるものとする。

風俗営業に係る騒音の規制に関する条例の基準

地域

数値

昼間

夜間

深夜

一 住居集合地域その他の地域で、良好な風俗環境を保全するため、特に静穏を保持する必要があるものとして都道府県の条例で定めるもの

55db

50db

45db

二 商店の集合している地域その他の地域で、当該地域における風俗環境を悪化させないため、著しい騒音の発生を防止する必要があるものとして都道府県の条例で定めるもの

65db

60db

55db

三 一及び二に掲げる地域以外の地域

60db

55db

50db

各自治体の条例

本ページでは例として「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」における日常生活に等に適用する規制基準を紹介いたします。

都民の健康と安全を確保する環境に関する条例

この条例は、他の法令と相まって、環境への負荷を低減するための措置を定めるとともに、公害の発生源について必要な規制及び緊急時の措置を定めること等により、現在及び将来の都民が健康で安全かつ快適な生活を営む上で必要な環境を確保することを目的としています。

別表第13 日常生活等に適用する規制基準(第136条関係)

種別

該当地域

音源の存する敷地と隣地との
境界線における音量(単位 db)

午前6時から 午前8時 午前8時から 午後7時 午後7時から 午後11時 午後11時から 翌日午前6時
第1種区域  一第1種低層住居専用地域
二 第2種低層住居専用地域
三 AA地域
四 東京都文教地区建築条例(昭和25年東京都条例第88号)第2条の規定により定められた第1種文教地区
五 前各号に掲げる地域に接する地先及び水面

40db

45db

40db

40db

第2種区域 一 第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域、第1種住居地域、第2種住居地域及び準住居地域であって第1種区域に該当する区域を除く地域
二 無指定地域(第1種区域及び第3種区域に該当する区域を除く。)

45db

50db

45db

45db

第3種区域 一 近隣商業地域(第1種区域に該当する区域を除く。)
二 商業地域(第1種区域及び第4種区域に該当する区域を除く。)
三 準工業地域
四 工業地域
五 前各号に掲げる地域に接する地先及び水面

55db

60db

55db

50db

第4種区域 商業地域であって 知事が指定する地域

60db

70db

60db

55db

この基準の適用については、次に掲げるところによる。
一 第2種区域、第3種区域又は第4種区域の区域内に所在する学校、保育所、病院、診療所、図書館、老人ホーム及び認定こども園の敷 地の周囲おおむね50メートルの区域内における規制基準は、当該値から5デシベルを減じた値とする。
二 保育所その他の規則で定める場所において、子供(6歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある者をいう。以下この表において同じ。)及び子供と共にいる保育者並びにそれらの者と共に遊び、保育等の活動に参加する者が発する次に掲げる音については、この規制基準は適用しない。
(1) 声
(2) 足音、拍手の音その他の動作に伴う音
(3) 玩具、遊具、スポーツ用具その他これらに類するものの使用に伴う音
(4) 音響機器等の使用に伴う音

低周波音問題対応のための「評価指針」としての参照値

規制値ではないものの物的苦情や心身苦情が発生する可能性のある参照値として閾値が定められている。低周波音に対する反応は建具と人とでは異なることから、寄せられた苦情が低周波音によるものかの判断するための参照値は、物的苦情と心身に係る苦情に分けて設けられている(低周波音による物的苦情に関する参照値、低周波音による心身に係る苦情に関する参照値)。

1/3 オクタ-ブバンド
中心周波数(Hz)

物的苦情に関する
参照値
1/3 オクタ-ブバンド
音圧レベル(dB)

心身苦情に関する
参照値
1/3 オクタ-ブバンド
音圧レベル(dB)

5

70

6.3

71

8

72

10

73

92

12.5

75

88

16

77

83

20

80

76

25

83

70

31.5

87

64

40

93

57

50

99

52

63

47

80

41

・低周波音による心身に係る苦情に関する参照値は、上記の表及び G 特性音圧レベル LG=92(dB)と する。
・本参照値は、規制基準、要請限度とは異なる。
・本参照値は、都市計画法の用途地域、騒音規制法等の地域指定と関係なく、低周波音によると思われる苦情が寄せられた場合に適用する。


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